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第T25回 多動症(ADHD)とミネラル

私は10年前から、栄養医学研究所で爪分析による体内ミネラルのバランスを見ていますが、自閉症小児の栄養カウンセリングを行っていたこともあって、当初もっとも多かったクライアントは自閉症の小児とADHD、いわゆる多動症のお子さんでした。
ADHDのお子さんの爪を使ったミネラル分析では、ある種の傾向が少しでていました。全員がそうだというわけではありませんでしたが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が低い傾向に出てきます。ADHDのお子さんでこれらのミネラルが不足している傾向があることについては、アメリカやEUの研究者によってもいくつか報告されています。日本では欧米のように大規模な体内ミネラル分析をADHDのお子さんを対象に行った報告はないので、確定的なことは言えませんが、少なくとも、栄養医学研究所で10年にわたって行ったADHDのお子さんの爪分析では、多少なりとも、この3つのミネラルが低い傾向はでています。
そこで、この3つのミネラルを補充してあげることで、第3者的に見てもお子さんの行動に変化がでてきます。もちろん全てのADHDのお子さんがそうだとは言いませんが、そばにいる家族でも変化はわかるようです。

カルシウムとマグネシウムは、筋肉の緊張と弛緩に作用するミネラルであると同時に、アセチルコリン、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンといった脳内で働く神経伝達ホルモンの合成と働きにかかわっています。また、以前にも何度も紹介しているように、血糖のコントロールにかかわるインスリンの生産と分泌に不可欠なミネラルです。ADHDの原因は未だ明確になっていませんが、これらカルシウムとマグネシウムの働きと作用にかかわる背景は、いずれもADHDの行動の背景でもあります。
亜鉛の不足は、脳内に蓄積するカドミウム、水銀、鉛や銅の毒性による神経組織への影響を増加させる可能性があります。亜鉛には、過剰に蓄積することで毒性のあるこれらの金属を、体外に排泄を促す働きがあります。アメリカではこれから母親になる女性の亜鉛不足が問題になったことがあり、それはいまでも同じ状況です。アメリカほどではないにしても、日本でも女性の亜鉛不足の傾向はみることができます。味覚障害のように、食材の味に鈍感になる症状がではじめたら亜鉛不足の傾向だと思って、血液検査だけでなく爪や毛髪で蓄積しているミネラル量を確認することをお勧めします。このような母親が妊娠することで、妊娠中、授乳期に適切な量の亜鉛が乳幼児に供給されないことがないわけではありません。
by nutmed | 2011-04-06 12:48