第T27回 震災後のストレスの影響 

先日、アメリカに住む友人のドクターからこんなものが送られてきました。
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RADTriageというカード型積算放射線量計です。私の身を心配してのことだろうと思いますが、こんなもので神経を過剰に過敏にさせることがないようにしたいです。

例年ならば、この季節は日ごとに暖かくなって行く季節の中で、体内環境も今までに比べてアクティブになってくる時期ですが、この震災と原発の不安と恐怖で、震災地の人たちが受けるストレスは想像以上だと思います。
加えて、震災後の自粛ムードと、関東近県での計画停電によって、あらゆる業種に降りかかった影響で、震災地から離れた地で生活する人たちがうけるストレスも、平常とは異なるほど大きな負担になっています。
今日から少し、全国民が被っていると思われるストレスの影響について紹介してみたいと思います。
以前から紹介しているように、直接的間接的にもストレスの影響を強烈に受けるのは副腎です。副腎の働きと食生活を考えた時に、ストレスによる副腎への負担からくる、体内環境の変化で最も注意するべきことは、血糖のコントロールです。血糖のコントロールに副腎がどのようにかかわっているかについては、以前のブログでイラストを使って紹介しているのでそちらを参考にしてください。
副腎への負担が増えることだけでなく、食生活によるカルシウムとマグネシウムの摂取バランスが変わることも、血糖のコントロールには多大な影響を与えます。
カルシウムは血液中を流れる糖分(グルコース)を細胞内に取り込むために必要なインスリンの生産と分泌を促進するミネラルです。したがって体内(細胞内)のカルシウム濃度が高い場合には、血液中のインスリン量が多いと考えられます。このような方の場合、過剰なインスリンによって食事後2時間以内に血糖値が低くなる低血糖の傾向が見られることがあります。一方、マグネシウムはインスリンの分泌を抑える働きをもったミネラルで、体内(細胞内)の血糖を上手にコントロールするためには、カルシウムとマグネシウムのバランス(比率)が大切です。
爪や毛髪を用いて、体内に蓄積しているカルシウムとマグネシウムの量と比率をみることで、インスリンの働きと血糖コントロール状態を大まかに確認することは可能です。カルシウムとマグネシウムの量と比率は年齢によっても変化しますが、1つの目安としてカルシウム:マグネシウムの比率は3から10:1の範囲内にあることが望ましいと言えます。現代日本人の食生活を考えるとおよそ7:1が最適だと言えます。カルシウム:マグネシウムの比率が3:1よりも低い、または10:1よりも高い場合には、低血糖になる可能性が高くなり、その後糖尿病に移行する危険性が高くなりますので、食生活と生活習慣には十分注意が必要です。
by nutmed | 2011-04-13 07:53