第T43回 放射線から身を守る自己防衛方法 その7

今日は1日神尾記念病院アンチエイジング外来での栄養カウンセリングの日です。
第T43回 放射線から身を守る自己防衛方法 その7_d0070361_858325.jpg午前7時の新富町の放射線量は、昨日よりも少し高い1時間あたり0.12マイクロシーベルトです。気象庁の風向図をみると、昨晩の雨の後に北東よりの風が関東地方へ吹いていたようなので、その影響かもしれませんね。

昨日の夜はある会合がありまして、そこで久々に数名の友人のドクターに会い、放射線被ばくの問題についてしばし意見交換をしました。 その中の1人が「佐藤先生の最近のブログで、放射線からDNAを守るために有効な素材を紹介してくれているけど、医療従事者やその関係者、または放射線療法を行う患者の被ばくしている放射線量から見れば、少なくとも関東近県の放射線量は、神経質になる数値ではないと思うな・・」というコメントをもらいました。おそらく、多くの医療従事者が彼と同じ意見を持っているような気がします。ただ、これは立場の違いがあるわけで、日本人の国民性と国民感情を考えると、医療従事者がテレビに出て「CTスキャン1枚撮るとどのくらいの放射線被ばくするか知ってますか?」などと言えば、別の問題を提起し、国民の不安が強くなるだけではないかと思います。

自然界には放射性物質が存在していることは明らかで、わずかながらでもその線量に被ばくをしていることも事実ですし、それを理解する必要もあります。私が今回のテーマを取り上げている最大の理由は「ストレス」です。
私は放射線や原子力の専門家ではないので、その背景はわかりませんが、毎日のようにメディアを通じて国民が放射線被ばくに対する不安や恐怖を煽りたてられ、ストレスがたまることでの健康被害を改善することが、今最も重要な課題の1つだろうと考えています。 解決策、改善策がわからず、ただ毎日メディアから流れてくる情報によって不安や恐怖が募ることは、ストレス許容量の限界を超えることになり、体内環境に多大な影響を与えます。
多くの国民が、「どうしたらいいのかわからない・・」状況の中、毎日の食生活の中で、食材選択や調理方法に気を配るだけで、放射線被ばくの影響から体を守ることができるというだけでも、メンタルストレスの軽減とともに、アクティブディフェンス(能動的な予防)ができると考えています。

さて、前置きが長くなりましたが、今日紹介するハーブ素材はギンコビロバ(Ginkgo biloba)です。第T43回 放射線から身を守る自己防衛方法 その7_d0070361_107943.jpgギンコビロバはイチョウの葉から抽出された機能性成分で、日本でも馴染みのある素材でしょう。ギンコビロバが放射線被ばくによる細胞ダメージの修復で一躍脚光を浴びたのが、25年前のチェルノブイリ原発事故の直後です。1995年にフランスの国立科学研究所が、チェルノブイリ原発爆発事故の修復作業員の何人かに、ギンコビロバを摂取してもらったところ、放射線被ばくによる細胞への高い酸化ストレスが軽減できたことを報告しています。また、2006年と2007年には、動物と人の両方で、放射性ヨードの被ばくによる細胞の損傷修復作用がギンコビロバに確認されています。
by nutmed | 2011-05-18 10:23