人気ブログランキング | 話題のタグを見る

T61回 解毒続きでもう1つだけ・・

T61回 解毒続きでもう1つだけ・・_d0070361_1147156.jpg 311震災後、ガイガーカウンターの需要がこの2週間で20倍に増加しているそうです。1つはTVでガイガーカウンターで放射線量を計測する風景が頻繁に露出するようになったことと、幼い子供をもつ母親を対象としたブログ、ツイッター、FaceBookで、自分の子供を守るために、今一つ信頼性に欠ける行政の放射線量数値に頼るのではなく、自分自身で測定したいという要望が一気に高くなっているからのようです。しかし、高価なガイガーカウンターは品不足状態で、レンタル事業までスタートしたようです。私はこの1カ月ほど、自宅から新富町まで来る道すがら、ガイガーカウンターで決まった場所の放射線量を測定しながら移動しています。今朝は首都高速の渋滞の中をノロノロと走っていたときに、突然バッグに入れてあるカウンターの警告音がけたたましく鳴り響き驚きました。私のガイガーカウンターは事前に1時間あたり0.3マイクロシーベルト以上になった場合にはこの警告音が鳴るように設定をしています。
場所は調度日本橋の上でした。毎日のように通っている場所ですが、過去に警告音が鳴ったことはないし、この場所の数値が高かったことはありませんでした。昨夜からの雨でホットスポットができたのかと思いましたが、原因らしきことは次の瞬間にわかりました。私の車の前と後ろに自衛隊のトラックが走っていました。呉服橋の分岐点のところまでこのトラックと並走している間はカウンターの警告音は鳴りっぱなしで、数値も1時間あたり0.4マイクロシーベルトでした。分岐点で銀座方面に分かれた途端に警告音は鳴りやみ、数値も1時間あたり0.12マイクロシーベルトまで下がりました。

さて、前置きが長くなりました。 6月はじめのニュースでも報道されているのでご存じの方がいると思いますが、厚労省はこの7月にも体に入ったプルトニウムなどの放射性物質を、尿から排出させる薬剤2品を承認することを発表しました。この2剤は「ジトリペンタートカル」と「アエントリペンタート」という販売商品名で、主に点滴薬として使われる薬です。正式名は、ジトリペンタートカルがペンテト酸カルシウム三ナトリウム(Ca-DTPA)、アエントリペンタートがペンテト酸亜鉛三ナトリウム(Zn-DTPA)と言い、アメリカやドイツ、オランダなど欧州では、重金属を解毒排泄させるキレーションの素材として以前から使われています。今回の報道を見るとこの2つの薬剤は、体内に侵入したプルトニウムをキレート(捕まえて)して、腎臓を経て尿から排泄させる能力が高いとされています。栄養医学研究所だけでなく、神尾記念病院でも青山外苑前クリニックにも、この2週間でこの薬剤に関する問い合わせが増えていますので、このニュースを見た方の多くが、行政が承認する薬だからと大きな期待を持っているようです。 しかし、この2薬剤が活躍できるのは、ほとんどが血液中でしかないため、肝臓、脳、骨などの臓器組織に蓄積したプルトニウムをキレートして排泄させることはほぼ不可能であること。また、被ばくをしてから24時間以内に使わなければ薬効はないということがあります。
さらに、この2つの薬剤が主にキレートする対象はプルトニウムよりも以下の金属(ミネラル)です。
アルミニウム・カドミウム・鉛・ニッケル・コバルト・銅・鉄・マンガン・亜鉛

つまり、体に有害と考えられる重金属をキレートしてくれる反面、体が必要とし、不足することで体内環境に著しく影響を及ぼす必須ミネラルをも同時にキレートして尿から排泄させてしまうわけです。

昨日、栄養医学研究所に電話で問い合わせをいただいた方は、「これを点滴すれば体内被曝は防ぐことができるとききましたが、この薬を点滴してくれる病院を教えてください・・」という内容でした。おそらく、このニュースを見聞きした人の多くはこの方と同じことを期待しているに違いないと思いました。 マスコミメディアの取り上げ方を考えればやむを得ないことかもしれません。 しかし、あえて言わせてもらえるなら、この薬剤が今この時に承認される意味と背景がわからないだけでなく、多くの方が期待しているほどの効果を上げるためには、条件がそろわない限り不可能に近いということです。

1、プルトニウムのほかにアルミニウム・カドミウム・鉛・ニッケル・コバルト・銅・鉄・マンガン・亜鉛を排泄させるため、体が必要とするミネラルの状態を確認したうえで、あらかじめ補充をしておく必要がある
2、腎臓に与えるインパクトが大きいことから、事前に腎臓、肝臓などの状態を確認しておく必要がある
3、カルシウムの過剰を招く可能性が強いため、甲状腺をはじめとする臓器組織の働きを事前に確認する必要がある。
4、銅の著しい欠乏症を招くことがある
5、発達成長期にある小児が最も必要とするミネラルが排泄されることから、プルトニウムの急性被ばくなどでない限り、小児には行うべきではない
6、プルトニウムの被ばくをしてから24時間以内に点滴をしなければほとんど効果はない
7、何よりも、体内の栄養素、特にミネラルの働きについて十分な知識のある医師のもとで処置をするべき



明日から週末です。私は静岡の清水で講演会があり、土曜日は早朝から出かけます。
週末は多少晴れ間が見えるかもしれない予報です。
それでは皆さんよい週末を!
by nutmed | 2011-06-17 14:03