第T72回 水分補給について その1

第T72回 水分補給について その1_d0070361_7311040.jpg 毎週水曜日は朝から神尾記念病院で栄養カウンセリングがあるので、朝は5時に起床し、一度新富町のオフィスに出てから病院へ向かいますが、今朝は午前6時前にはもう蒸し暑い熱気が道路からムンムンと上昇しています。このまま梅雨があけてしまうのも、水不足が懸念され、節電傾向と相まって一段と辛い夏になりそうでs心配です。



さて、そんな中今日から水分補給について少し、復習の意味を込めて紹介してみたいと思います。
水分補給も誤った認識で行えば、かえって体内環境には負担を与えかねませんので注意してくださいね。
人間の体は、運動によるエネルギーの消費とともに上がる体温の調節のために、発汗というかたちで体内の水分を排泄します。減量(ダイエット)の目的で、エアロビクス、ウォーキング、スイミングなどが盛んに勧められており、皆さんの中には、これらの運動の後、体重計に乗り、体重が減ったことに一喜一憂しているかたも少なくないでしょう。
ほとんどの場合、運動後の体重の減少は体内の水分量の減少を意味しており、通常の生活では、1時間あたり約100ccの水分が発汗によって体外排泄されると言われていますが、エアロビクス、ジョギング、ウェイトジムなどの運動を行った場合、1時間に約1500ccも水分を損失すると言われています。夏場はこれに加えて日中の発汗と、就寝後の発汗によって、想像以上に体内の水分は失せていきます。
体内の水の約70%は、血球 (細胞内液と言われる) に保持されており、残りは、血液など細胞の外側に保持されています。
水は、体温、エネルギー代謝、毒素の排泄、及び、心臓血管のストレスを調整する重要な役割を持っています。従って、人間が生活していくうえで重要な「体の動き」という機能を維持するためには極めて重要な役割を担っているとも言えます。
我々人間の体は、体内の水を損失することには十分な注意を払う必要があり、体重比率で10%以上の水が失われると、生命の危機に瀕する致命的な状態を招く可能性もあります。

体内の水分は運動中に重要な役割を担っています。
人間の体内の水分のほとんどが集中する血液は、筋肉が必要とするエネルギーを作るために酸素、及び、グルコースのような栄養素を運び、エネルギーを代謝した後の代謝性廃棄物(二酸化炭素など)を筋肉から運び去る役割を担っています。
運動によって、筋肉がエネルギーを消耗するときに熱が発生しますが、この熱を血液(血液)が吸収し、発汗することによって体外に熱を逃がします。しかし、この発汗のときに、血圧を変化させ、心臓の働きに影響を与えるミネラルが同時に汗とともに体外に排泄されるために、運動後には水分だけでなく必須ミネラルも補給することが重要となります。
運動中に失われる体内の水分は汗から排泄されるものが最も多く、尿を通して失われる量は通常生活時の17%ほどしかありません。
運動を行う前には、少なくとも500ccの水分を補給することが望ましいでしょう。
運動によって減少した体重が体内の水分量と考え、ボディウエイト%(体重水分比率)を常に意識した水分補給を行うことが重要です。水分補給に際しては、ただの水ではなく、炭水化物、Na,Kなどのミネラルが含まれた水を補給することによって、失われた体内水分のバランスを速やかに補うことができ、水和を促がします。
水和とは、我々人間の体の約60%を構成する水分が体内に摂りこまれ、血液や細胞組織に吸収されて、その働きを正常に促がすことができる状態を言います。
単に水を補給することで、Na,Kなど電解質ミネラルを希釈してしまい、水分の吸収を妨げることにもなります。

もう1つ重要な水分補給に際しての注意点として、炭酸飲料水、糖分が入った飲料水は避けるべきです。これらの水に含まれる糖分、添加物などは、分子量(物の大きさ)が大きいために、水和し難いからです。
by nutmed | 2011-07-06 07:38