2011年 07月 08日
第T74回 水分補給について 最終回
さて、気を取り直して今日は水分補給の最終回です。
水分補給のときに必要なミネラルの重要性体内の水分が失われるときには、体の働きには必要な必須ミネラルの1部も同時に失われます。これらのミネラルは体の働きに必要なミネラルであると同時に、大腸で再度吸
収された水分を体内で再利用するときにも重要な働きをします。その中で最も重要なミネラルはナトリウムです。 電解水やイオン水などという言い方も一般的になってきましたが、体内環境、特に水分の均衡を保つために作用するのが、電解質ミネラルと呼ばれるナトリウムとカリウムです。
発汗によって失われる体内の水分の中には、ナトリウムなどの必須ミネラルが含まれていますが、一般的には、ミネラルよりも水分のほうが早い、また多く失われています。汗の中のナトリウム濃度は、体内を流れる血液の3分の1と言われています。つまり、ナトリウムなどの電解質を補給せずに発汗を続けることで、血液中のミネラルが低下し、いわゆる「渇き」の状態となりますが、人間の体はミネラルバランスを維持するように働き、血液中のミネラル濃度が高くなります。一方で、体内の水分のバランスを改善するように働く体内のメカニズムは比較的ゆっくりとスタートするために、場合によっては、脱水状態が始まっていることが少なくありません。 今年のような猛暑の夏では、電力不足もあってついついエアコンをつけることをはばかってしまうために、いつもの夏以上に発汗の場面は多くなります。 マスメディアも医療関係者も声を大にして「水分補給を!」と言いますが、このときに注意しなければいけないのは、ミネラル、特にナトリウムやカリウムと言った電解質ミネラルの補給も同時に行うということです。
激しい発汗によって体が脱水状態にあるときに、単に水分だけを補給し、体が速やかに水分だけを吸収してしまうと、血液中のミネラル濃度を希釈させることになります。このとき体は、ミネラルのバランスを維持しようとするために、水分を体外に排泄させるように働き、更なる脱水状態を招くことになります。
炎天下の運動で、激しい発汗後に、喉の渇きを覚え、水をガブガブ飲むと、その後、5-10分ほどしても汗が中々ひかないだけでなく、体がぐったり疲れるような症状が現れることがありますが、これが水分だけを補給することによる症状でもあります。
特に、お子さんやお年寄りの場合には、電解質ミネラルの変化に体がついて行けずに、様々な症状を招くことにもなります。
マラソンの選手がエイドステーションで受け取るスペシャルドリンクや、ウィンブルドンで数時間にも及ぶ熱戦の途中で、フェデラーやナダル、シャラポワが、ミネラルウォーターとは別に飲んでいる、ピンク色やスカイブルーの水は、皆さんが想像しているような、細胞でエネルギーをガンガン作り出すためのスペシャル素材ではなく、意外にもナトリウム、カリウム、マグネシウムを主体にした電解質ミネラル水であるのはこのためです。
明日から週末です。週末は全国的に蒸し暑いようですから、水分補給の際には電解質ミネラルのバランスを考えた水分補給を心がけてくださいね。
皆さん良い週末を!