第T75回 筋肉疲労の予防改善 その1

第T75回 筋肉疲労の予防改善 その1_d0070361_10451524.jpg 週末は全国的に梅雨明け宣言が出され、各地では軒並み、7月の観測史上最高気温をマークしたようです。中期予報では、この先も8月いっぱい猛暑日が続きそうです。暑さ対策と同時に、体力低下による体内環境の偏重を防ぐことも考えないといけませんね。

そんなところで、今日明日は筋肉疲労を予防改善する方法について紹介します。
疲労の原因は病気や栄養不足が原因のものが多い中、気温と体温の上昇により、エネルギー生産工場でもあるをミトコンドリアで行われるプロセスにも影響が出始めますが、その1つがクエン酸(クレブス回路)サイクルの不調です。一般に筋肉を使うために細胞核内のミトコンドリア(エネルギーの生産工場)でエネルギーが作られますが、このときに「疲労物質」とも言われる乳酸という物が作られます。乳酸は言ってみればエネルギーが作り出されるときの燃えカスのようなものです。この乳酸が多くなると筋肉や血液が酸性になり細胞の働きが低下してしまいます。通常、乳酸は血液中に放出されるので、時間とともに体外に排泄されてしましますが、時間がたっても中々筋肉疲労が抜けない原因の多くは血液の循環が悪いことと、乳酸の燃焼を促すビタミンB群、なかでもビタミンB1(チアミン)の摂取不足が考えられます。これに加えて猛暑の環境では、水分の摂取によって電解質のバランスが偏重します。TVの健康番組や雑誌では乳酸を溜め込まないために「クエン酸」を積極的に摂取しましょう!と言っています。これはクエン酸(酢酸も)が乳酸を水と炭酸に分解して体外に排泄を促す働きがあるためです。決して誤りではありませんが、クエン酸の摂取の場合、以下の方は注意してください。
・腎臓の働きが低下している方
・尿の出が悪い方
・2型糖尿病の方

また、マラソンやエアロビクスなどによって長時間筋肉を動かし、汗で体内の水分が出て行ってしまっているときにはクエン酸の過剰摂取によって血液中のpHが急激に酸性に傾き、乳酸アシドーシスになることも稀にあることから、クエン酸を摂取するときには十分な水分を補給しながらにしてください。
このほか筋肉疲労の原因である乳酸を溜めないようにするためには、ビタミンB群と同時に、マグネシウム、カルシウム、α-リポ酸、カルニチンの補給がお勧めです。
by nutmed | 2011-07-11 10:55