2011年 07月 13日
第T76回 筋肉疲労の予防改善 その2
さて、今日は筋肉疲労改善の2回目最終回になります。今日は、筋肉を作る材料にもなり、そして筋肉の活動には欠かせないたんぱく質の元となるアミノ酸について紹介します。
自然界には100以上のアミノ酸があり、我々人間を含む動物ではその内22個のアミノ酸が生きていくために必要なアミノ酸です。
アミノ酸はタンパク質を構成する物質で、2つ以上のアミノ酸が結合してタンパク質が作
られます。
アミノ酸がタンパク質を作るときには必須な栄養素がありますが、それはビタミンB6、ビタミンC、マグネシウムです。この10年ほどで、日本でもサプリメント市場におけるアミノ酸商品が急増しており、アミノ酸=燃焼=ダイエットのような方程式さえできてしまった感がありますね。しかし、アミノ酸が体内でたんぱく質を合成し、筋肉を作る際には、必ずこのビタミンB6、ビタミンCとマグネシウムは欠かせない栄養素になります。したがって、筋肉疲労の改善のたのほか、アミノ酸を補給する場合にはこれらの栄養素を意識して同時に補う必要があります。
余談ですが、最近、アミノ酸が脳細胞の活性に役立つことが叫ばれています。アミノ酸は本来単体で体内で運搬される場合、特に、脳に運ばれるときには、脳膜という、異物や体にあってはいけない物質から脳細胞を守るための膜を通過していかなければなりません。この時、脳膜をアミノ酸が通過するためには4つの運搬方法があります。アミノ酸の種類によって、脳膜を通過できる運搬システムが異なります。
①大運搬システム
ヒスチジン・イソロイシン・ロイシン・メチオニン・フェニルアラニン
スレオニン・トリプトファン・チロシン・バリン
②小運搬システム
アスパラギン・グルタミン・プロリン・セリン
③基本運搬システム
アルギニン・リジン・オルニチン
④酸運搬システム
アスパラギン酸・グルタミン酸
この4つの運搬システムでアミノ酸は脳に運ばれますが、運搬システムが異なるアミノ酸を同時に摂取することによって互いに競合しあい、アミノ酸の作用効果が低下します。
したがって、脳細胞へのアミノ酸の作用効果を最大限に期待するのであれば、この運搬システムを考えた摂取をする必要があります。