第T78回 週末歳時記 ストロンチウム

第T78回 週末歳時記 ストロンチウム_d0070361_1636513.jpg 以前のブログでも紹介しましたが、栄養医学研究所ではこの6月から、従来から受託している爪のミネラル分析検査で、セシウムの分析報告をはじめています。今年は311以降、爪分析検査の受託数が例年よりも増加しています。電話やメールでの問い合わせも日増しに増えている状況ですが、爪検査に興味のある方に、事前に理解していただきたいことがあるので、説明させていただきます。
爪分析をして検出された必須ミネラルや重金属は、元素としての金属であることは間違いありませんが、その金属が同位元素(ストロンチウム89または90など)なのかどうかということ、およびその金属がどこから体内に侵入したのかについて、確認判断することはできません。ただし、今回の福島原発のような災害によって放射性物質が飛散したことで、ストロンチウムやセシウムのような、日本においては日常生活環境の周辺にはほぼ存在しないだけでなく、食品、サプリメント、健康食品、水から摂取する可能性も極めて低い金属が、爪分析で検出された場合には、その侵入経路は原発から飛散した金属である可能性は非常に高いと思います。しかし、残念ながら爪検査がその侵入経路の因果関係の証明にはならないということです。

311以降、6月中旬までに、福島、茨城、東京、神奈川、埼玉、千葉、新潟、長野、栃木、群馬の各県からの受託が増える中、ストロンチウム、ヨウ素、セシウムが高い濃度で検出された結果は出ていませんでしたが、6月後半から、ヨウ素については13人、ストロンチウムについては6人が高い濃度で蓄積されている結果がではじめています。ストロンチウムについては、6人のうち1人は8歳のお子さんです。幸いセシウムの高い濃度蓄積の結果はまだ出ていません。

最近、爪分析をしてストロンチウムが非常に高濃度に検出された方の数値について、私の臨床ミネラル学の師匠でもある、ドイツのDr.ブッシュと電話で話をした際に、ストロンチウムについては、ドイツでも日本でも、アメリカの一部地域のように、骨と歯の強化の目的で水道水や食品に添加されることを許可していないので、爪分析でストロンチウムが高濃度検出された人、特に福島原発から近い場所やホットスポットに住んでいる人の場合には、福島原発からの影響による可能性が非常に高いとコメントしています。 また、ストロンチウムが高濃度に検出された場合、まず生活習慣の背景を探り、、爪分析をする半年ほどの間に、以下のような背景がないかどうかを確認する必要があるということです。
1、ストロンチウムが含まれているようなアメリカ製のサプリメントや水を飲んだことがないか
2、骨そしょう症改善のための薬(ラネリック酸ストロンチウム)を服用していないか
3、歯科医で知覚過敏症の治療をしており、その中で塩化ストロンチウムを使われていないか
4、知覚過敏症改善のための歯磨きを使っていないか


そのうえでこのような経緯がないと言うことになれば、原発の影響の可能性は濃くなると思います。しかし、残念ながら、爪分析検査結果が直接その証明にはならないということです。

さて、明日から3連休の方も多いのではないでしょうか。 この3連休は全国的に高気圧が旺盛で、猛暑の日が続くようですので、熱中症対策は万全にしてください。
私は、明日の早朝に家を出て、久々にバイク仲間のオジサンたちと1泊の温泉ツーリングに出かけ、ストレス解消をしてきます^^;;

それでは皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2011-07-15 17:13