2011年 08月 03日
第T89回 サラダバー症候群 硫黄不耐性 その2

さて、今日はサラダバー症候群 硫黄不耐性の2回目です。
昨晩から今朝にかけて、多くの読者の方からのメールや、ツイッターのリツイートで、「硫黄がこんなに食品添加物で使われていることを知らなかった・・」、「確かに自分はレストランのサラダやコンビニのサラダを食べた後すぐに咳がでるし、赤ワインを飲むと頭痛がするので硫黄に対して反応していると思います・・」「硫黄を排泄するにはどうすればいいんでしょうか?・・」などなど、多くのコメントをいただきました。昨日のブログで十分説明しなかったのが良くなかったのかもしれませんが、まず認識していただきたいのは、硫黄というミネラルは人間の営みにとっては必要なミネラルの1つでもあります。ただ、多くの必須ミネラルと同様に、「過ぎたるは及ばざるがごとし」のように、過剰な硫黄が体内に蓄積することは様々な影響をもたらすことになります。
硫黄に対して反応を示す、硫黄不耐性が起こる背景の1つに、硫黄(亜硫酸)を酸化(分解)させる酵素「亜硫酸酸化酵素(sulfite oxidase)の不足があります。亜硫酸酸化酵素の不足には、モリブデンとおいう必須ミネラルが関わっており、モリブデンの摂取不足、吸収障害、代謝異常のほか、遺伝的にモリブデンの代謝ができないケースがあることが報告されています。モリブデンは亜硫酸酸化酵素の補酵素として働くミネラルの1つですが、因みに、モリブデンが補酵素として働く酵素の中には、尿酸の合成を促進する酵素(キサンチンオキシターゼ)がありますが、モリブデンの過剰摂取によって、高尿酸血症や痛風発作を招く可能性も高くなるかもしれません。余談ですが、尿酸値は健診や人間ドッグなどでも検査するポピュラーな検査項目ですが、自分でプリン体が含まれた食材を頻繁に食べていたり、毎日のようにビールを飲んでいるというような自覚がない場合に、尿酸値の数値が異常に低くなっているようなときには、少しモリブデンの不足を意識したほうがいいかもしれませんよ。
このように、硫黄に対して反応を示す硫黄不耐性、サラダバー症候群の改善には、まず硫黄の吸収代謝量を確認することと同時に、可能であればモリブデンの体内蓄積量を爪や毛髪分析で確認し、モリブデンが少ないと思われる際には、モリブデンが豊富に含まれたレバー、大豆、ピーナッツなどの食品を意識して摂ってみてください。