2011年 08月 11日
第T95回 リポ酸について その3 肥満改善
どこのメディアでもコメントしつくされていますが、立秋を過ぎてからの猛暑はいただけませんね。この蒸し暑さは、寝苦しさからの不眠、食欲不振だけでなく、朝からこの陽気だと仕事のやる気を削ぎ、集中力を抹殺するので、生物にとっては過酷な環境ですね。栄養医学研究所では、人の出入りがない日には、社員はショートパンツとTシャツをOKにしている今シーズンです。さて、今日は中1日置いて、再びリポ酸についてでです。今回は肥満改善についてです。
前回、リポ酸にはインスリンの感受性を向上し、糖分の代謝を高める作用があることを紹介しましたね。
今日紹介するのは、リポ酸が持つ食欲を抑えて脂肪の蓄積を防ぐ作用についてです。 この作用は2009年にスペインのNavarra大学の研究チームがラットを使った実験によル「結果を発表されたもので、リポ酸は脳内に存在する食欲のコントロールに関わる神経に働き、食欲を抑制するだけでなく、脂肪の蓄積もコントロールする可能性を報告しています。
つまり、リポ酸には食欲をコントロールして抑える作用が期待できるということです。また、2010年7月、お隣中国北京にある中国農業大学の研究チームによって、リポ酸には余剰な脂肪の燃焼を促進する作用とともに、そこから得られるカロリーの燃焼を刺激する作用があることがラットの実験によって確認されています。
かつてリポ酸が日本で話題になった時に、リポ酸は糖の代謝を促進するので、血糖の高い人には有効な機能成分と持て囃されましたが、この背景にあるのは、リポ酸がインスリンの抵抗性を抑制し、インスリンの感受性を高める作用があり、少ないインスリンでも血液中を流れる糖分の細胞への取り込を促進させるという作用があるためです。これは血糖値が高いひとだけでなく、肥満、肥満気味の人に対しても同じ効果によって、肥満の改善を予防改善することが期待できるわけです。
肥満の人では、コレステロールや中性脂肪が高くなることで、肝臓の周囲に脂の層や膜ができる、いわゆる脂肪肝になり、肝炎のリスクをかかえている人が圧倒的に多いと言えるでしょう。アルコールや薬剤、ウィルスによる肝炎ではないので、一般的には非アルコール性脂肪肝(NAFLD: non-alcoholic fatty liver disease)と呼ばれています。リポ酸には、このNAFLDの原因にもなる、肝臓における脂肪の蓄積を抑える働きが確認されています。
アメリカでは、2009年からの2年半の間に、肥満の男女を対象にして、リポ酸を使った減量と脂肪肝の改善の臨床実験がいくつか行われていますが、いずれの報告をみても、向精神薬などを使って食欲をコントロールする薬物療法に近い効果を上げているだけでなく、最大のメリットは副作用が伴わないことです。


