2011年 08月 30日
第T101回 想像以上に多いカンジダ菌の影響 その2
週末は残暑の盛り返しがあり、以前よりは過ごしやすくなったものの、汗ばむ陽気でしたね。週末、私は仕事と私用を兼ねて埼玉県坂戸に行ってました。駅前に女子栄養大学のキャンパスが広がり、碁盤の目のように整然と区画された工業団地に、明治製菓、パイオニア、オムロンなど上場企業の工場が立ち並ぶ、関東では屈指の地盤の固い、地下水豊富な街です。高層ビルやマンションがほとんどないので、こんなにも空が高く広かったんだと感じさせる静かな町でした。さて、今日は週末歳時記を挟んでカンジダ菌の影響の2回目です。
カンジダ菌による体内環境への影響には様々な症状として現れるものがあります。日本でも一般的にしられている症状意外にも以下のような症状があり、症状の背景にカンジダ菌があることが見落とされやすいことも事実です。
1、カンジダ菌を含むある種のイースト菌は腸の粘膜を溶かしてしまう酵素を作り出してしまうことがあり、LGS(Leaky gut syndrome)を誘発。
2、Th1とTh2のバランスが崩れるためアレルギー反応や細菌感染を容易に引き起こす免疫状態をつくる
3、乳酸菌、大腸菌など腸内細菌の性格を一変させてしまう。(事実この性質を利用して抗生物質の多くはカビからつくられている)
4、自助殺菌能力を抑制する酵素をつくりだす
5、酒石酸、アセチルアルデヒド、アラビノールという有害な物質をつくりだす。酒石酸には筋力を低下させる作用があることが報告されている。
6、CoQ10、アミノ酸のタウリンとアスパラギン酸の働きを低下させる
「真菌が作り出す毒」という意味のマイコトキシンには、300種類以上も存在します。小学校の理科の時間に習ったペニシリンも、マイコトキシンの1つで、人間にとってはありがたいマイコトキシンです。
一方、人間にとっては有害なマイコトキシンには、豆、ナッツ、米などに繁殖するカビが作る「アフラトキシン」があり、発ガン性があることが報告されています。カンジダ菌がマイコトキシンを作る理由は、マイコトキシンという強い毒素を自ら作り出すことによって、細菌、ウィルス、寄生虫、そして人間という、カンジダ菌にとっての外敵から自分を守るための術といってもいいでしょう。日本人は、欧米人に比べてカンジダ菌が作るマイコトキシンには弱いと言えるかもしれません。カンジダ菌が作り出すマイコトキシンは「アセトアルデヒド」という物質ですが、アセトアルデヒドはアルコールの代謝物質でこれを分解するためにはアセトアルデヒド分解酵素が必要になります。日本人は遺伝的にこのアセトアルデヒド分解酵素が少ない人種と言われています。つまり、乳酸菌などの善玉菌とカンジダ菌との繁殖バランスが崩れたり、糖分の過剰摂取、抗生物質の多用など、何かの理由でカンジダ菌の繁殖が旺盛になった場合には、カンジダ菌が作るマイコトキシンに含まれるアセトアルデヒドよって、アルコール中毒症にも似た多種多様な、通常の診察では診断ができ難い症状を表すことになります。
カンジダ菌が作るマイコトキシンの影響は、最近日本でも話題に鳴り始めている糖化にも深くかかわっています。カンジダ菌は、糖分を餌にするだけでなく、糖分を原料に発酵を行い、アルコール(エタノール)を作ります。このエタノールの産物の一つがアセトアルデヒドですが、糖分とこのアルデヒドが結合することによって、糖化最終産物:AGEs(Advanced Glycation End Products)が作られます。このAGEsが細胞の働きに多大な影響を与え、糖尿病の合併症を悪化させたり、顔のシワができやすくなったりというような状態を作ります。


