2011年 10月 11日
第T1120回 痛風と栄養素
さて、今日はこれからの収穫の季節に話題になる、痛風についてです。
痛風が「贅沢病」と言われていたのは、一昔以前のこと。いつでも24時間好きな食べ物が好きなだけ食べられる現代、痛風はもはや現代人の潜在病と言っても過言ではないでしょう。それを裏付けるように年々痛風発症者の数が増えており、年齢層も若くなっています。
痛風は、自分の体内の環境を分析し、栄養素をコントロールすることによって、特有の痛みとは無縁の生活も不可能ではありません。
痛風の食事と栄養
日本の痛風治療には食事療法があります。アルコール(特にビール)を控える、プリン体の多い魚介類・もつ類・牛肉を控える、ダイエット、水分を多く飲むなど、見るだけで生きる楽しみの40%は奪われたような気になってしまうような内容です。実際、食事療法によって痛風と「上手に付き合う」
ことは可能ですが、ビタミン・ミネラルなどの栄養素を考え、コントロールすることによって、痛風の痛みに苦しむことなく穏やかな生活を送ることは夢ではありません。
痛風治療に有効な栄養素
①オメガ-3脂肪酸
良質のオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれる素材としてはフラックス(亜麻)油が最強だと考えます。フラックスオイルには、炎症と痛みを抑える働きがあります。
②ビタミンC
ビタミンCには血液中に大量に放出された尿酸を減少させる働きがあります。
③フラボノイド
フラボノイドの中でも、クルクミン、アントシアニン、ケルセチンは尿酸を抑える働きをもっています。また、クルクミンには強力な抗炎症作用があります。
④葉酸
葉酸には尿酸の生成に関わる酵素を抑える働きがあります。
⑤亜鉛
痛風には鉛性痛風というタイプもあります。体内に蓄積された鉛が増加することによって発症する痛風で、鉛によるタンパク質の合成阻害が生じるものです。このタイプには亜鉛が有効です。
この季節、食材も豊富になり、ついつい食べ過ぎてしまう傾向がありますが、日ごろから尿酸値が高い人や、痛風発作の経験者の人は、食材にも気を配りながら、秋の恵みに舌鼓を打ってくださいね!