第1144回 免疫力の向上について

第1144回 免疫力の向上について_d0070361_1652550.jpg 今日の東京は夕方から冷たい雨が降り始めました。栄養医学研究所は来年2月に、小江戸と蔵造りの街として有名な歴史と文化の街、そして地盤の硬い埼玉県川越にオフィスを移転するため、今週に入ってから私の書籍の荷図栗作業をスタートさせています。幅にして90cmの棚が5段ある本棚が6本分の書籍にもなるので、箱詰めだけでも大変な作業です。おまけに1冊1冊中を見ながらの作業になるので、中々先に進みません(笑)



栄養医学研究所に寄せられる質問の中で、今でも多い内容が、「アガリクスなどで本当にガンが治るのでしょうか?」と言うものがあります。一時に比べて少なくはなりましたが、相変わらず多い質問内容です。確かに、医学的研究でもアガリクスなどキノコから抽出された成分が、ガン細胞の成長を抑えると言う報告がされていますが、ここで間違えてはいけないのは、アガリクスやプロポリスがガンそのものの成長を抑えるのではないと言うことです。
本来人間には、体の中に入ってきた異物や、体の中に発生する異物を取り除き、常に安定した状態に保つ働き「自然治癒力」が備わっています。このメカニズムは多種多様に富み、現在も研究が進められているところです。キノコやプロポリスには、このような人間が本来持っている自然治癒力を刺激し免疫力を増強させる作用があり、自分の体の細胞が変化してできたガン細胞を排除するする働きを持つ白血球やリンパ球の仲間の活動を活発にすることができます。しかし、ガン細胞を直接たたく働きを持つ白血球やリンパ球は、約60兆個もある我々の細胞が作り出すもので、この細胞の働きが十分でないところへ、いくら免疫力を増強させる健康食品を飲んでも、一般的に言われている効果は期待できないと思います。10年以上まともに体を動かしたことのないお父さんが、いきなり子供の運動会でリレーに出て力の無さを痛感するのと同じで、それぞれの細胞が担うべき役割をいつでもまっとうできるように、日常の食生活の中で必要な栄養素を十分に摂取していなければ、免疫力を増強させる物質の効果は半減してしまいます。
とかく日本人は、事がおきてからでないと真剣には考えない国民性があるようで、その時になってはじめて何かをあわてて摂取しても、駅の売店でドリンク剤を飲むのと同じで、気休めになるどころか、場合によっては体に悪影響を与えてしまうだけです。
読者の皆さんの中には、すでにアガリクスやプロポリスなどの免疫力を向上させる作用を持つ健康食品を愛用されている方が少なくないと思いますが、もし免疫力を増強させる効果を今よりも期待したいと思っているのであれば、まず日常の食生活に気を使い、必要な栄養素を十分補給し、1つ1つの細胞の働きを高めることを考えてください。
もう1つ大切なことは、栄養素であれば何を摂っても言いと言うわけではありません。まずはご自分の体内環境がどのようになっているのか、栄養素の過不足や、食物の消化や吸収を妨げる重金属など有無、さらには、せっかく食べたものが上手に消化することができる体質なのかを調べることが非常に重要だと言えます。
by nutmed | 2011-12-06 17:04