第1145回 トランス脂肪酸について

第1145回 トランス脂肪酸について_d0070361_743681.jpg 毎週水曜日は、1日お茶の水の神尾記念病院で栄養カウンセリングがあるため、早朝自宅を出て、一度新富町の栄養医学研究所に寄って海外からのメールをチェックしてから神尾記念病院に向います。この時期の午前5時過ぎは真っ暗闇ですが、あと2週間もすれば冬至を迎え、この日を境に日ごとに日の出の時間が早くなり始めます。
私は1年を通じてこの時期、12月初旬の早朝が一番好きですね。東の水平線の下から押し上げられ、こみ上げてくる陽の光と、夜のしじまのバトンタッチの瞬間のグラデーションは美しく、一度として同じ光景はありません。このページェントを見るだけでも早起きの価値はありますよ。

さて、今日はふたたび日本でも話題になりはじめたトランス脂肪酸(TFA)について少し。
動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸やラード、マーガリンなどのトランス脂肪酸は非常に酸性度が高く炎症を憎悪させる可能性が高いと言えます。脂肪酸には2種類あり、バターやラードなどの動物やココナッツなどの植物に多く含まれる脂肪で、常温で固まる飽和脂肪酸とオリーブオイルやフラックスオイルなどの植物やタラやサバなどの動物に多く含まれ、常温では固まりにくく、健康にいいとされる不飽和脂肪酸があります。トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の1つですが、飽和脂肪酸と同じように常温で固まりやすし脂肪酸で、LDL-コレステロールを増やしてしまったり、細胞の働きを低下させてしまう可能性のある脂肪酸です。食品中に含まれるトランス脂肪酸には、人工のものと天然のものがあり、人工のトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を多く含む植物油が常温で固まりやすいようにしたもので、マーガリンやショートニング、ファーストフードのフライを揚げるときの油がこの類です。また体にいいとされるオリーブ油でも、高温度で加熱することでトランス脂肪酸が生成されます。牛肉の脂肪や乳脂肪にも少量のトランス脂肪酸が含まれています。これは、牛の胃の中に生息する微生物によって生成される天然のトランス脂肪酸です。食べた総カロリーの5%以上がトランス脂肪酸であった場合にはLDL-コレステロールの増加に影響を与えるという報告があります。
by nutmed | 2011-12-07 07:21