2011年 12月 14日
第1147回 コレステロールの管理 その1
2011年も残り少なくなってきましたね。昨日は午後から、来年2月に川越に移転する栄養医学研究所の新オフィスにネットの構築の打ち合わせに行っていました。道路も混雑していましたが、クリスマスと年末商戦真っ盛りの川越の街は、賑やかでした。一転、今朝の東京は雨でスタートしていますが、冷たい雨というほどのものではないので、インフルエンザ流行の兆しのある都会には、喉にも適度なお湿りが心地いい1日になりそうです。
さて、今日から、年末年始のシーズンに先駆けて、前回のアルコールの影響に続き、コレステロールの管理について、数回にわたって紹介しようと思います。
1、コレステロールの役目
年末年始は何かと暴飲暴食の傾向が出てきてコレステロールも気になるシーズンですね。
「善玉・悪玉」などと呼ばれるようになったコレステロールですが、場合によっては毛嫌されてコレステロールを摂らない食生活が横行することも少なくないようです。今日はまずコレステロールの役目について復習をしていただきましょう。コレステロールの85%近くは肝臓、脳、各細胞内で合成されるもので、食事から摂取するものは皆さんが想像している以上に少ないのです。
コレステロールは体内で酵素の働きによって、ビタミンD、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)男性ホルモン(テストステロン)やストレスホルモン(コルチゾール)に変化するもの、また胆汁によって脂として吸収されるものがあります。コレステロールは体を構成している細胞の膜を作っているほか、コレステロール全体の約25%は脳細胞を構成するために使われています。つまり脳の働きにはコレステロールは欠かせない物質で、神経の働きはコレステロールに依存していると言ってもいいでしょう。
減量のためにコレステロールを摂取しないかなり過激なダイエットをしている若い女性も困りますが、もっと厄介なのは、マスコミやネットで情報を得て多少知識があり、炭水化物は言うに及ばず、タンパク質と脂質の摂取制限をし、毎日のようにジムに通ってポンプアップエクササイズや1時間以上のジョギングをハードにこなしてしまう方々、特に40歳を過ぎてからの方々ですね。
このような方々の中には、筋肉をなるべく落とさないように体重は期待とおり落とすことはできるのですが、記憶力や集中力が以前よりも急激に低下してくることがあります。さらに検診や人間ドッグで血液検査をすると本人が想像している以上にコレステロールが高くなっていて、「食事や運動をこれだけやっているのに・・」と落胆してしまう方も少なくありません。
これと性格は違いますが、コレステロールが高く、コレステロールや中性脂肪を低下させるような薬を長い間処方され服用し、コレステロールを蓄積させないようにする厳格な食生活を送っている方々もまた似たような状況を作ってしまうことがあります。
この両者の原因には、背景は違いますが「脳の働きに必要なコレステロールを必要以上に低下させてしまう」ということがあります。
コレステロールの中でもLDLコレステロールが基準値を下まわるほど低下していることが少なくありません。メタボリック症候群予防に関して、コレステロール、特にLDLコレステロールが「悪玉コレステロール」としてやり玉に挙げられますが、LDLコレステロールの極端な低下はかえって脳の働きや細胞の治癒にマイナスになることがあります。事実、LDLコレステロールが脂質改善薬(スタチン系薬)で急激に低下したり、ダイエットとエクササイズで低下していて、記憶力や集中力が低下している方に、食生活指導でLDLコレステロールを上昇させてあげることで症状が改善することがあります。


