第1165回 消化酵素不足の兆候 アミラーゼ

今日は神尾記念で栄養カウンセリングです。ここ半年ほどでクライアントさんの持つ症状の中で気になっているのは、ストレス過多による体内環境への影響です。この背景には、昨年311の東北しんさいと原発事故が大きな原因として居座っているものと考えています。ここへきて、先週、東大の地震研究所が、今後4年以内にマグニチュードM7以上の直下型地震が関東を襲う悪立が70%と言う発表が報道されて、首都圏に在住、就労する人達の緊迫感と緊張がにわかに高まり、ストレスレベルも高くなっていることが考えられます。今後の事を考えると、水、電池、食料の備蓄と防災準備が必要なことはもちろんですが、私のたちばで考えるのは、311の経験を踏まえ、否応なしに遭遇することが予想されるストレスのコントロールができるようにすることと同時に、ストレス耐性を向上させる準備を今から同時に行うべきということです。この件にちては近々に別途テーマとして扱う予定でいます。

さて、今日は消化酵素の2回目、アミラーゼ不足の兆候についてです。
アミラーゼは食べた食材のデンプン質を分解する酵素で、膵臓と口の奥の顎の後ろにある唾液腺から分泌される酵素です。膵臓で作られるる膵分泌型アミラーゼが全体の70%で唾液腺で作られる唾液腺型アミラーゼが30%になります。アミラーゼには多くの種類がありますが、基本的には、デンプン質を分解し、グルコースや麦芽糖、デキストリンなどの単糖類に変換して消化する作用があります。
アミラーゼが不足する原因にはいくつかの理由背景がありますが、現代人の食生活を考えた場合、その背景の多くは、アミラーゼを必要とする糖分食材や炭水化物の過剰摂取によるアミラーゼの不足、つまり、需要と供給のアンバランスがあると考えられます。また、ストレスの影響や血糖コントロール不良によって、膵臓やふくじんの負担ダメージが高いこともその理由の1つでしょう。
・脂肪の分解が苦手な人にアミラーゼ不足がいる
遺伝的な原因を含めて、脂質を分解する酵素のリパーゼが不足している人や、減量のためのダイエットで脂肪分を摂らない人の中には、脂肪の不足を補うために糖分の多い食材や炭水化物をむさぼり食べる人が想像以上に多いと言えます。こにような人の食事は炭水化物に過剰になると、アミラーゼの生産がオーバーワーク気味となり、不足を招くことで、様々な症状を起こすろ考えられます。
・化膿性炎症が治りにくい人はアミラーゼ不足の可能性あり
アミラーゼはデンプン質を分解消化するだけでなく、細菌やウィルスと戦ってくれた白血球の残骸である膿の分解も担っています。したがってアミラーゼが不足傾向にある時には、傷や炎症部分に出る膿の塊(膿瘍)が治り難く2次的な炎症を憎悪させる可能があります。歯槽膿漏などで歯痛を持っていて、抗生物質で治療を受けているが炎症と痛みが中々取れない場合には、アミラーゼ不足を疑って見てもいいかもしれません。
・アミラーゼ不足人は炎症が収まり難い
アミラーゼは、細菌感染や花粉症などのアレルギー症状にともなう炎症が起きる時に、血管を拡張させたり、熱を発せさせる、肥満細胞などから放出されるヒスタミン(化学伝達物質)によく似た作用を持っていて、体ぜんたいの炎症反応に関わっている酵素でもあります。したがって、アミラーゼ不足傾向にある人では炎症を抑える力が弱く、例えば、花粉症やアトピー性皮膚炎、じんましん、乾癬、ニキビなどの症状が出やすい人では、アミラーゼの不足を疑って見てもいいかもしれません。
・アミラーゼの働きにはリンが不可欠
デンプン質の消化には、ミネラルのリンが不可欠です。極度に精製漂白された砂糖やフルーツや野菜の果糖などの炭水化物の過剰な摂取によって、尿にリンの排泄が進み、結果としてアミラーゼが上手に作用しなくなることは少なくありません。
リンの不足のよって現れる症状には、血液の粘土増加、手指のこわばり、特に午前中、胃炎、関節のこわばりがあります。リンは日本人の食生活では不足することは稀なミネラルと考えられていますが、果糖のシロップのような甘味料が幅を効かせるようになった現代人の食生活環境を考えると、想像以上にリンの排泄は進んでいるのかもしれません。
by nutmed | 2012-01-25 16:58