第1199回 健康管理と病気の予防は口腔ケアから CoQ10

この週末、埼玉県東松山で歯科医の先生たちのグループに、栄養療法の勉強会を行ってきました。私は10年前から、栄養療法のコンセプトを持ち、国民の健康管理を最前線で実践する最適のプロフェッショナルは歯科医、歯科衛生士だと考えており、それを提唱啓蒙してきました。アメリカのレベルまでは届かないものの、幸い日本の歯科医の中にも、栄養療法に興味と関心を持ち、自己啓発を行っている歯科医は多くなってきているようです。そんな中、週末の勉強会で、先週からスタートしたブログの中で紹介した、口腔ケアのホームメイド素材の1つ、CoQ10デンタルクリームの即席実習を行ってもらいました。
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こちらで準備したCoQ10のカプセルと、100円ショップで売られていたポンプ容器、研磨剤の配合されていない歯磨きクリームを使って、参加者全員に作ってもらいました。CoQ10は、鮮やかなオレンジ色をしたパウダーなので、純白のクリームに混ぜると上野画像のようにベージュに変わります。参加した歯科医と歯科衛生士の皆さんには大変好評で、特に歯科衛生士の女性からは、「口腔ケアに対して私たちが指導啓蒙するのはおもにブラッシングの方法と場所ですが、患者さんたちを見ていると他人ごとのように私たちの話を聞いている方が少なくありません。歯周病、歯槽膿漏を予防改善するためには、患者さんが受け身にならず、積極的に予防改善のためのアクションを起こしてもらうことなんですが、このCoQ10デンタルクリームは、患者さん自身に作り方を紹介して、それを使っていただくことで、自分が積極的に参加して予防改善をするという気持ちを持ってもらうためにはいい方法だと思います」という感想をいただきました。 CoQ10入りのデンタルクリームは市販されているものがありますが、自分の口腔ケアのレベルに合わせて、つまり、歯周病や歯槽膿漏の進行状況に合わせて配合するCoQ10の量を加減できる自由度が広がるところがいいと思います。
女性の多くは、肌や毛髪のケアには心血を注ぎますが、第一印象で相手の健康状態を判断する材料の上位に、歯並びと歯茎の血色というのがあるそうです。見るからに健康そうでハツラツとした人でも、笑った時にチラッと覗く歯茎の血色が悪いと残念ですからね。CoQ10には歯肉の血行を促進する作用が非常に強いだけでなく、以下のような作用機能を持っていますので、歯茎の健康管理には最適な機能素材です。
1,歯周病、歯槽膿漏など歯肉に炎症を伴う症状を持った人では、健康な人に比べて白血球のCoQ10が低いことが1973年に日本人の研究チームが発表しており、CoQ10が低くなることで局所的な炎症が憎悪するかのうせいが報告されています。
2、1994年に大阪大学歯学部の研究チームが、歯周病の治療に際して、通常の治療に加えてCoQ10を歯茎に塗る治療を行ったところ、細菌の繁殖を抑える作用が強まり、3週間後の改善率は飛躍的に向上したことを報告しています。
3、CoQ10を歯周病の治療に加えたところ、細菌の繁殖を抑えると同時に、歯肉の炎症を抑えることによって症状の大幅な改善が可能であること、歯槽膿漏により歯が抜ける症状の進行を著しく抑えることが可能であることが1975年に報告されています。


歯周病、歯槽膿漏でお悩みの方には、CoQ10のデンタルクリームは是非お勧めの素材ですね。
by nutmed | 2012-04-23 12:22