第1200回 健康管理と病気の予防は口腔ケアから ザクロ

ひと雨ごとに植物の芽吹く生命力の新緑が目に鮮やかになる季節になりました。我家の庭に育つ山椒もこの数日で鮮やかなフレッシュグリーンをこれでもか、と見せつけてくれています。今日は久々にスクーターで通勤してきましたが、川越までの川越街道のケヤキ並木も新緑が鮮やかでしたよ。
d0070361_1619247.jpg
この山椒の芽はこれからの季節の料理のアクセントだけでなくスパイスにも使いますし、葉の搾り汁をろうそくに混ぜて天然の虫よけキャンドルにも使います。

さて、今日は口腔ケアの最終回になります。最終回の今回は強力な抗菌、抗炎症作用のほかに、バイオフィルムの抑制にも有効な素材であるザクロについてです。
d0070361_16244924.jpg

ザクロについては2年前にシリーズでテーマとして数回に分けて扱ったことがあるので、ザクロの優れた作用効果についてはこちらを参考にしてください。口腔ケアにおけるザクロに含まれる機能性成分の効果は、フラボノイドであるエラグ酸(ellagic acid)とプニカラギン(punicalagins)です。エラグ酸と聞くと女性の多くが「美白成分」とイメージするかもしれませんね(笑)でも今回は美白とは関係はありませんで、この2つのフラボノイドが持つバイオフィルムの抑制作用です。バイオフィルムとは、歯周病や歯槽膿漏、虫歯の原因となるバクテリアが集まってできた膜状のもので、この膜の中で繁殖するバクテリア同士が様々な情報のやり取りをしていると考えられています。バイオフィルムについては1999年にアメリカのモンタナ州立大学のDr.Costerton によって報告された考え方で、その後現在に至るまで、歯周病、歯槽膿漏などの原因となるバクテリアによる症状を、バイオフィルム感染症と呼ばれることが多くなりました。ザクロに含まれるエラグ酸とプニカラギンには、バクテリア同士が形成し糊のようなバイオフィルムを作ることを阻止するとともに、バクテリアの繁殖を抑制する作用があることが報告されています。2003年にはブラジルの研究チームによって、バイオフィルム感染症の原因となるバクテリアの中でも手ごわいバクテリアの1つである連鎖球菌にたいするザクロと一般的な抗菌剤の効果の比較が報告されていますが、一般的に連鎖球菌感染による症状治療で処方される抗菌薬よりも、ザクロエキスの単独または、抗菌薬との併用の効果が高いと報告しています。
2007年にオハイオ州立大学の研究チームもザクロの歯周病症状の改善に対する効果の検討を行っていますが、彼らの報告によると、ザクロにはバイオフィルムの形成を阻害する作用のほか、抗炎症作用、歯垢の除去作用についても高い能力をもっていることを報告しています。

日本ではあまり馴染みのない果実ですが、この数年ザクロの持つホルモンの生産と分泌に関与する作用、アンチエイジング効果などが注目され、日本の市場にも中東産を始め海外産のザクロやザクロのジュースが出回るようになりました。価格は多少高いと思われますが、何よりも天然のバイオフィルム感染症の予防だけでなく治療にも有効な素材であるだけでなく、中高年の女性、男性には更年期に関わるホルモンの調整作用も期待できるので、先日紹介した、ザクロを希釈したマウスウォッシュで口腔ケアをしてみてはいかがでしょうか。
by nutmed | 2012-04-24 17:14