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第1204回 コレステロールを下げるならトコトリエノール

昨日の首都圏の暴風雨と落雷、突風には恐怖すら感じた人が多いのではないでしょうか。私も青山外苑前クリニックでのカウンセリングのために、調度午後2時過ぎに青山一丁目付近で突風と雷雨に遭遇し、傘は役に立たず全身びっしょりの状況でした。それにしてもこの数年気候が変ですね。
今ころになってアナウンスしても遅いのですが、明日5月12日(土)に千葉県柏のデパートそごうで、午前と午後の2回、ミニ市民講演会を行います。テーマは最近ブログでも紹介したジュース療法です。30分という短い時間なので、多くは話せませんが、ギュっと内容の濃い話をします。無料のレクチャーですが会場の都合で先着20名ということだそうですので、もし興味のある方はおいでください。そごう10階の催事場で11時と13時の2回です。

さて、週末の今日は久々に目からウロコの話ですよ。
皆さんもよくご存じだし、サプリメントの代表選手でもあるビタミンEについてです。ビタミンEを摂取している人の目的の多くは、メタボ対策としてのコレステロールの改善ではないでしょうか? 雑誌やネット、TVの健康番組でも「悪玉コレステロール退治にはビタミンEが一番!」なんて言葉が躍っていますよね。ところが、今日の話は、摂るビタミンEを間違えると、コレステロールを下げることができないだけでなく、コレステロールを下げるために摂るビタミンEの作用を邪魔してしまうという話です。
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この図はビタミンEを構成する成分を大雑把に描いたものですが、ビタミンEの大部分は、トコフェロールとトコトリエノールによって構成されています。以前にもトコトリエノールについてはブログで紹介したことがあるので、こちらを参考にしてみてください。2002年に発表された内容では、同じビタミンEでもコレステロールを下げる作用は圧倒的にトコトリエノール(ベータとデルタ)が高く、トコフェロールには従来から言われているほどのコレステロールを下げる作用は確認できていません。それだけでなく、トコフェロールを多く含んだビタミンEは、トコトリエノールのコレステロール抑制作用に影響を与え、コレステロールを下げる機能が低下することもわかりました。最近の臨床研究によると、コレステロールや中性脂肪が高くなる脂質異常症の治療でポピュラーに処方されているスタチン系薬と一緒にトコトリエノール(ガンマ、デルタ)を摂ることで、スタチン系薬だけの患者よりもコレステロール低下の効果が高いことも報告されています。天然のビタミンEの中で、トコトリエノール(ガンマ、デルタ)を多く含む素材は、アナトー(Annatto)です。アナトーはベニノキの種子で、この種子から抽出される色素はリップクリームなど化粧品の色素として広く使われています。 このほか、ヤシの油もトコトリエノールを多く含んだ素材です。
アメリカでは市場で販売されているビタミンEのサプリメントの50%ほどは、「フルスペクトラムビタミンE」を謳った、トコフェロールとトコトリエノールを最適な比率でミックスしたサプリメントが出回っていますが、日本ではトコトリエノールのことすらあまり耳にしないのは残念です。もちろん私は栄養カウンセリングでも、また友人のドクターにも、自分で設計したトコトリエノールが配合されたフルスペクトラムのビタミンEを使っています。
天然と合成のビタミンEを論点にすることは決して悪い話ではないですが、そろそそどんな目的でビタミンEを使うのかを十分考える時ではないかと思います。

明日から週末ですね。私は柏で市民講演会があります。
天気は穏やかな週末のようです。皆さん、よい週末を!
by nutmed | 2012-05-11 15:11