第1212回 グルテン不耐性と脂質吸収障害 その2

昨日、一昨日の雷雨が嘘のように晴れ渡り、正しい初夏を感じさせるに十分な今朝の東京です。今日は水曜日なので、朝から神田淡路町の神尾記念病院で栄養カウンセリングです。
さて、今日は前回に続いてグルテン不耐性と脂質吸収障害の状態を確認するための方法について紹介します。
私の師匠であるDr.ジョナサン・ライトのシアトルにあるTAHOMA CLINICでは、グルテン不耐性の顕著な症状である小腸からの脂肪の吸収が著しく低下することを利用して、小麦グルテン不耐性の患者の症状の進行状況を確認するための血液検査を汎用的に行っています。日本でも頻繁に検査される項目で、健康診断やメタボリック症候群の検査では必ず行われる中性脂肪(トリグリセライド)がその検査です。中性脂肪は血液中を流れている吸収された脂質(中鎖脂肪酸)ですから、グルテン不耐性で小腸の機能が低下している場合には、消化分解されて小腸近辺で吸収されるはずの脂質が吸収されにくくなり、血液中の中性脂肪も低くなるというわけです。TAHOMA CLINICでは、中性脂肪を検査して数値が75mg/dl以下の患者には、グルテン不耐性を疑い、唾液中のIgA(sIgA)の検査を勧めます。日本のいりょうしせつや検診で検査される中性脂肪の許容基準値は50-150mg/dlだと思います。中性脂肪の検査の前日(少なくとも採血の9-12時間前)の食事で脂肪分の多い食事をしてもらった後、採血のまでの間は食事しない空腹状態で採血をした血液中の中性脂肪を検査します。加えて、グルテン不耐性によって小腸の吸収機能が低下するとアミノ酸とミネラルの吸収にも影響がでるため、中性脂肪の数値が60を下回る患者には、血中アミノ酸分析と毛髪(爪)によるミネラル分析して、不足低下しているアミノ酸とミネラルないかを確認します。アミノ酸とミネラル分析までしなくても、定期的な、また症状が出た時の中性脂肪検査は非常に有効だと思います。
by nutmed | 2012-05-30 09:51