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第1218回 ビタミンB12についての質問、公開回答

梅雨入りしたのだからいたしかたのない天気ですが、今年の梅雨は肌寒いように感じます。
昨日は名古屋に出張でした。以前から温めてきて、ここ数カ月、要望や需要が非常に高まっている栄養療法と臨床栄養の教育事業立ち上げの打ち合わせで名古屋へ行ってきました。前回のブログでも紹介したように、70%以上のい臨床医が栄養学の知識の必要性を感じていることに加え、整体師、カイロプラクティクス、指圧、マッサージから理美容師に至る広範囲の職域で、栄養の知識に対するニーズは確実に高まっています。可能であればこの秋から、インターネットを使ったこれらのニーズに対応する栄養療法などの教育プログラムを展開する計画を進めています。

さて、今日は読者の中の63歳の男性からの非常に興味深いビタミンb12に関する質問がありましたので、その内容と私なりの回答を皆さんにもぜひシェアしていただきたいと思い紹介します。
「島根県南部在住で、定年後の趣味で楽しく毎日を暮らしている63歳、男性です。いつも佐藤先生のブログは楽しみに、また何枚も目からウロコを落とさせていただいてきました。今日はビタミンB12について私なりの疑問がありメールさせていただきました。佐藤先生は日ごろから、胃酸の重要性を説いてらっしゃいますが、特に加齢とともに胃酸の生産量と分泌量は低下するため、たんぱく質食材を胃酸によって分解することで得られるビタミンB12については、50歳もすぎたころからサプリメントで積極的に摂るべきだともおっしゃられていますね。日本では見かけることがありませんが、アメリカのサプリメント通販で入手できるビタミンB12のサプリメントの中には「シアノコバラミン(Cyanocobalamin)」の形のビタミンB12を目にします。また日本でも薬局で販売されている点眼薬では、このシアノコバラミンを配合したビタミンB12を良く目にします。私のつたない知識ではこの「シアノ」とは毒性のあるシアン化合物(Cyanide)のことであると思われ、微量で中毒症状を表すシアンの化合物であるビタミンB12としてのシアノコバラミンは体にとって毒ではないのでしょうか?」

不謹慎かもしれませんが、こういう素朴な質問というのは大切な疑問なんですね。長年栄養に携わってきましたが、私自身このような疑問にはぶつかったことがありませんでしたが、非常に大切な的を得た疑問だと思います。
この男性の質問の中にあるように、シアノコバラミンを形成しているシアノはシアン化合物と同じものです。それではシアノコバラミンを摂ると中毒症状が出る危険なビタミンなのか?というとそうではないんですね。結論から言えば、シアン化合物ではあるものの、中毒症状を起こすほどの量ではないことと、体の中の肝臓で、体が使える形のビタミンB12に変換する過程の中で尿とともに体外に排泄されてしまいます。
シアン化物はある種の細菌によって作られることが分かっていて、シアン化物を含む食物があります。例えばリンゴの種やアーモンドがそれで、タピオカの原料になるキャッサバイモの根の中にも確認されています。
ビタミンB12(シアノコバラミン)を抽出する際に使用される活性炭の働きによって、シアノコバラミンが生成されますが、バクテリアが作ったビタミンB12を活性炭で洗浄濾過する際に、活性炭に含まれたシアン化合物が反応結合してシアノコバラミンが精製されます。
シアノコバラミンを摂ることで全く副作用のようなものはないのかと言う点については、絨リアから報告されている症状の中に、シアノコバラミンを1日あたり1000μg以上を継続摂取した場合、また点眼薬などで摂取した場合には、眼精疲労などの症状が現れることが稀にあることは報告されていますが、通常の使用方法であれば特段の心配はないと思います。
by nutmed | 2012-06-12 16:52