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第1219回 亜鉛の不足

今日は現代人、特に女性と若者の亜鉛欠乏症とストレスの関係についてお話しましょう。
皆さんもご存知のように亜鉛(Zn)は免疫機能に重要なかかわりをもつ必須ミネラルなんですが、もう1つ重要な働きに「生殖機能」にかかわるミネラルであるということです。亜鉛の持つ生殖機能への作用は以下の代表的なものがあります。
1)卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの働きを促進させる作用
2)胎児の正常発育の維持や流産の予防作用
3)生殖器の発育維持や性腺機能維持作用
4)ビタミンEとの相乗効果によって胎盤停滞の予防作用
また、Znの血中濃度は、ストレスに対し非常に鋭敏に反応することが報告されていますが、実際、女性では出産直後から18-24時間後に亜鉛の血中濃度が平均で40%ほど低下します。
さらに、流産、死産などの場合、1週間後にかけて亜鉛の血中濃度は50%以上低下します。また、肉体的なストレスだけでなく、精神的なストレス、特に最近の10-30代後半のストレス耐性が非常に低い男女では、慢性的に精神的なストレスを受けることによって亜鉛の血中濃度は著しく低下してきます。
最近この年齢層に顕著な「味覚障害」や「不妊症」の原因には、ストレス耐性が非常に低い男女が精神的なストレスを受けることによって低下する亜鉛という背景があるのではないかという報告もあり、現代の日本人を見る限りあながち間違った説ではなと思うこの頃です。事実、アメリカでは出産後の女性に亜鉛のサプリメントを勧める産科医が少なくありませんし、日本でもかっては出産後の女性にビール酵母汁やフスマ汁(小麦胚芽)を1週間ほど飲ませた背景には、これらの素材に含まれる亜鉛などの必須ミネラルが豊富であることがあるのでしょうね。
次に亜鉛とメタロチオネインというたんぱく質の関係についてお話します。メタロチオネインは金属蛋白質とも呼ばれるたんぱく質でして、肝臓で作られます。メタロチオネインには亜鉛の体内貯蔵にかかわる働きがあります。つまり、体内に亜鉛を貯蔵しておく際には欠かせないたんぱく質です。この関係は鉄とそれを貯蔵しておくためのたんぱく質フェリチンの関係に似ています。このほかメタロチオネインにはカドミウム、鉛、水銀といった毒性重金属の解毒の作用があります。最近話題の解毒(デトックス)には欠かせないたんぱく質でもあるんです。メタロチオネインは前回説明したように妊娠や流産を含め肉体的、精神的なストレスが増大した場合やインフルエンザや細菌による感染症に陥った時、その合成が増大します。 この背景にはストレスや感染症によって体内の亜鉛、銅などのミネラルが急激に低下するため、体内への吸収と貯蔵を増やす必要があることがあると考えられています。「メタロチオネイン」、少し難しい成分ですが、皆さんがストレスを感じたり、慢性的に疲労感を感じるようなときには思い出してください。

さて、明日から週末です。
皆さんもよい週末を!
by nutmed | 2012-06-15 18:30