第1237回 見え始めた遺伝子組換え作物の影響 その1

今朝は一番で銀座でモーニングミーティングがあり、午前8時には銀座2丁目界隈におりましたが、川越に比べてアスファルトの照り返しが容赦なく、今更ながらに都心の生活環境は体に非常なストレスになると実感しました。
さて、今日から2回にわたって、遺伝子組換え食材についてトピックを交えてお話したいと思います。遺伝子組換え食品については、以前からブログ読者の方々やカウンセリングをしたクライアントさんからの質問が多い対象でもあります。
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TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の話が話題になり始めて以降、輸入される食材や種子の遺伝子組換え(GMO: Genetically Modified Organism)への危惧が高まり、ネット上でも大きな話題になっています。原発の問題の陰に隠れてしまった感があるGMOの問題ですが、人間の体内環境におけるGMOの影響は、すでに始まっていると言ってもいいかもしれません。
GMO種子や植物と言うと、すでに日本でも散布されているRoundUp(ラウンドアップ)と言う、散布され接触することでほぼすべての植物を枯れ絶やすことができる除草剤が必ず話題になります。ラウンドアップはグリホサート(glyphosat)という化学物質を主要成分とする除草剤ですが、作用効果が非常に多岐植物に渡り強力であることから、人間や家畜の食糧となるイネ科植物や双葉植物を枯らせないようにさせるために、植物の遺伝子に手を加え組換え、ラウンドアップの散布によっても枯れることのない強い耐性を持った植物の種子を造ったことが始まりになるかもしれません。遺伝子組換えをした種子から芽生え育った種子には、種の保存継体能力が低いために、ラウンドアップを散布する農家では、ラウンドアップに耐性を持った種子を毎年一緒に購入しなければならないことになります。
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GMO処理をされた種子の改良製造は、ラウンドアップ以前にも行われていますが、もともとGMOが注目されたのは、植物自体に害虫による被害の影響を最小限に抑えるため、害虫に強い植物を造るところからはじまっています。その方法は、害虫や線虫といった植物の成長や結実に影響を与える生物から植物を保護するために有効とされるレクチンというたんぱく質を作る能力を遺伝的に高めた種子の開発でした。
しかし、このレクチンが人間の体内環境、特に小腸の働きに多大な影響を与えることが、マウスだけでなく人間の臨床検討でわかりはじめています。
レクチンの名前を聞いて、そう言えば!と思った人は私のブログのヘビーリーダーですよ(笑)
2010年2月18日のブログから5回にわたってこのレクチンが人間の体内環境にどのような影響を与えるのかについて特集していますので、復習と予習野意味でこちらを参考にしてみてください。
実は、レクチン生産を向上させたGMO植物はすでにアメリカだけでなく欧州でも加工食品として市場に出回っていることは明らかのようです。私の師匠でもあるタホマクリニックのDr.ライトが、彼が長年ケアをしてきた逆流性食道炎、過敏性大腸炎、ミネラルの慢性吸収障害など、胃腸の働きに関わる症状を持った患者の中で、栄養療法の様々なアプローチが有効でなかった患者に対して、毎日、特に朝食で食べているシリアルやオートミールを止めてもらうように指導したところ、平均で1週間で今までの症状がほとんど消失したことを教えてくれました。私が栄養カウンセリングでケアをしているクライアントの中にも、同様に栄養療法のアプローチに反応しないクライアントが何人かいますが、つい1カ月ほど前にDr.ライトのアドバイス通りに、朝食時食べていたシリアルフレークとグラノーラをやめてもらったところ、5日目に従来出ていた腸に関わる症状の70%が消失しました。
日本では多くの国民が、自分たちが口にする食材は全て遺伝子組み換えをしていないと信じてやまないことだと思いますが、アメリカのように法的にも遺伝子組換え種子の販売と、育った植物を加工した食品が法的にも認められている国からやってくる食材は、否応なしにレクチンが含まれた食材があることを認識する必要があるようですね。

次回はGMO食材と男性ホルモンの生産低下についてです
by nutmed | 2012-08-07 17:33