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第1246回 痛みのコントロール その3

今日は痛みのコントロールの最終回、ナットーキナーゼについてです。
ナットーキナーゼは納豆から抽出された、タンパク質分解酵素(proteolytic enzyme)です。タンパク質分解酵素には痛みを抑制する作用があるほか、抗炎症作用、じんましんなどを抑制する作用があることがわかっており、ナットーキナーゼにもこれらの作用が存在しています。
ナットーキナーゼが持つ鎮痛作用は他のたんぱく質分解酵素と同様炎症の治癒を促進する働きにありますが、ナットーキナーゼにはこのほか、線維溶解酵素としての働きによって、炎症部位にかかわるフィブリンなどの線維の分解作用による抗炎症と鎮痛作用が強いことにあります。

雑誌やTVでは「納豆はプリン体が多いので痛風の原因になるから・・」という報道をよく目にしますね。確かに納豆にはプリン体が含まれていて、納豆50gあたりに50mgほどのプリン体が含まれています。「飲みすぎると痛風になるよ!」と言われるビール大瓶1本に含まれるプリン体の平均がだいたい40mgですから納豆は比較的プリン体が多い食材ではあります。
どうも日本人は「これには〇〇が多いから食べすぎると・・」と単純に過剰反応してしまう方が多い(マスコミメディアもそういう報道のしかたをする傾向もありますが・・)ですが、一方でプリン体は人間の生命にかかわる重要な働きをしているDNAをつくるときには不可欠な物質でもあるわけです。また、プリン体が体内にたくさんあれば必ず尿酸値が高くなるわけではありません。
プリン体が尿酸に変化するときにはキサンチンオキシダーゼという酵素が作用します。
このキサンチンオキシダーゼは身近な食材では皆さんが毎朝飲んでいるかもしれない牛乳、もっと詳しく言えば「ホモ牛乳」というものに多く含まれています。
ホモミルクは、飲みやすくするための加工された牛乳で生乳に含まれている脂肪球に圧力をかけて、乳中の脂肪球を砕いて小さくした牛乳です。しかし、脂肪球を小さくしてしまうことによって脂肪球皮膜の中にあるキサンチンオキシダーゼという酵素が活性化し、活性酸素を発生させます。またプリン体を含んだ食材を食べた後、プリン体が分解される過程でキサンチンという物質を産み出しますが、このキサンチンはキサンチンオキシダーゼの作用によって尿酸を作り出します。ですから納豆とホモミルクの食べ合わせはあまりお勧めできません。
痛風のときに処方される薬の中にはキサンチンオキシダーゼの働きを阻害する成分が配合されているものがあるのはこのためです。

このキサンチンオキシダーゼの働きを抑制する物質は天然素材の中にもかなりあります。
たとえば、フラボノイドのケルセチン、消化酵素でパインアップルから抽出されたブロメライン、
ハーブのレモンバーム、スペアミント、ペパーミントなどもそうです。

ナットーキナーゼを摂取しようと考えるのであればやはり精製されたサプリメントになったものがいいでしょうね。

急性の痛みを止めたりコントロールする場合には確かに薬が必要な場面が多いと思います。慢性化した痛みについては、安直に薬のやっかになる前に、その痛みの原因である可能性のある炎症の背景をつきとめ、何らかの方法でその炎症を抑えてあげた上で痛みを自分の自然治癒力で改善してあげることも大切ですね。
by nutmed | 2012-08-29 09:03