第1256回 セロトニンについて その2

今日は「脳内セロトニンの生産向上」についてです。
セロトニンと食欲は深い関係にあり、セロトニンが正しく合成され満たされることで食欲が湧いてきます。セロトニンが不足をすることによって炭水化物、それも短時間で糖分に変わるGI値の高い単純な構造をした炭水化物の欲求が高くなり、結果として脂肪が増えることになります。この背景はセロトニンを作る源になるトリプトファンが少ないために、トリプトファンの吸収代謝を増加するために起きる現象と言ってもいいでしょう。これは第589回の章を見ていただければ原因がおわかりいただけると思います。
海外の研究論文を見ても、私のクライアントさんの状況を見ても、肥満や過食の根本原因の1つにはこのセロトニンの不足があることは間違いないと思っています。
2007年にオーストリアの研究グループが行った報告を見ると、肥満の方の多くは体内のどこかで慢性的な炎症と免疫システムが過剰反応していと報告しています。日本のドクターが行っているかどうかはわかりませんが、この2-3年の間に欧米では肥満の治療の際にこの炎症の有無を確認するために血液検査でCRP(C反応性タンパク)という炎症の有無の確認検査を行うことがポピュラーになってきました。炎症を引き起こすタンパク質(サイトカイン)は脂肪で作られ分泌されますが、このタンパク質はトリプトファンの働きに影響を及ぼすIDO(indoleamine 2,3-Dioxygenase)という酵素で、このタンパク質(インターフェロンγ)によってIODは活発に働くようになります。このIDOが活発になるとトリプトファンが影響を受けセロトニンの合成量が少なくなるということになります。セロトニンが不足すると炭水化物、それも短時間で糖分に変わるGI値の高い単純な構造をした炭水化物の欲求が高くなり、結果として脂肪が増えることになります。
実際にトリプトファン(L-トリプトファン)を食事の1時間前に1回あたり1000-2000mg飲んでもらうことで、食欲を抑えられることは少なくありません。
もちろん現在何かの薬、特に神経の働きにかかわるような薬や睡眠導入剤を処方されている場合には主治医に相談することは言うまでもありませんが、なかなか思うように減量効果があらわれない方にはトリプトファンを摂取することを考えてみるといいと思います。その際にはまずはヒマワリの種からスタートしてみるといいでしょうね。
by nutmed | 2012-09-12 09:28