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第1265回 関節痛の原因がナスだった

日毎に気温が下がり、ようやく秋らしい陽気に入ったと思ってもいい今朝の東京です。
今日の話題は、3週間ほど前に栄養医学研究所に栄養カウンセリングにいらした43才の女性の話です。初めていらした時のお悩みは、ある日突然に両ひじと右足のひざが1日中痛むというものでした。この症状は昨年末に始まり、整形外科、膠原病内科を受診して診てもらい、血液検査も行ってもらったところ、心配していたリウマチやその他の膠原病ではなく、特に異常は見られないとのことで、汎用の痛み止めを処方されただけだったそうです。今年の2月になって再び症状が現れ、黙っていても1週間ほどで痛みはなくなり、念の為に痛風を疑ってクリニックを受診しても尿酸値や尿素窒素にも問題なく、痛風は否定されています。同じような症状が7月にも現れ、食事や栄養に関係があるのではないかと栄養医学研究所にカウンセリングに来た方です。結論から先に言いますが、昨晩この女性からメールがありまして、先週土曜日の昼に関節の猛烈な痛みが出て、昨日火曜日の夕方には嘘のように痛みがなくなったという連絡をもらいました。私が彼女に行ったのはある食事指導だけで、サプリメントなどを飲んでもらうようなことはしていません。実は、彼女の一連の症状の背景にある食材の存在を疑い、試しに先週土曜日の朝食の時にそれらの食材を食べてもらったところ、彼女の言うように、その日の昼にはひじとひざの関節に激痛が走ったわけです。私が彼女にお願いしたのは、もし食事をした後数時間で痛みの症状が出た場合には、それ以降の食事で痛みの原因となっている可能性が高いそのある食材類を一切食べないようにすることでした。そのある食材というのが「ナス科」の食材です。ナス科の植物が関節痛や炎症の原因になっている可能性が高いことはかなり以前から動物と人による検討で報告されています。彼女が3週間前に栄養医学研究所に来た時に、関節痛の症状が特定の食べ物や飲み物でスタートを切っている可能性がないかを、過去の食生活のヒアリングして確認しましたが、誰もがそうであるように、痛みの症状が出た前後の状況を克明に記憶していることは稀で、彼女の場合も同様でした。ナス科食材には、ナス、トマト、クコ、タバコ、ジャガイモ、トウガラシ、シシトウ、ピーマン、パプリカなど、誰もが毎日のように口にすものばかりです。彼女には、帰宅してから落ち着いてじっくり思い出してもらい、特定の食材の有無を確認してもらうことにしました。同時にこの1年くらいの間に飲み始めた薬とサプリメント、健康食品の類も後日連絡してもらうことにしました。1週間後に彼女からのメールでわかったことが2つありました。1つは、冷え性だった彼女は、昨年12月初旬から母親に勧められてカプサイシンの健康食品を始めたこと。もう1つはファミレスでサラダを食べてから数時間でひじがシブシブ痛み感じたことで、そのサラダには、ジャガイモとトマトが入っていたことでした。ナス科の植物の多くは、痛みや炎症、筋肉のけいれん、浮腫み、唾液過剰、瞳孔収縮に関わるアセチルコリンの分解をする酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働き阻害する成分が含まれています。つまり、ナス科食材を食べることで、アセチルコリンの分解ができにくくなり、アセチルコリンの蓄積量が増えることによって、関節痛などの症状がでるわけです。地下鉄サリン事件で有名になった神経ガスサリンもアセチルコリンエステラーぜ阻害作用をもったガスで、神経麻痺、瞳孔収縮の症状が出るものです。彼女には、先週末の人体実験で、自分の関節痛の原因がナス科食材の可能性が高いことが理解してもらえたようで、今後ナス科食材には細心の注意を払うとのことです。ナス科食材に反応して彼女のような症状が現れる人がどれほどいるのかは不明ですし、関節痛などの症状を持つ人の全てがナス科食材によるものだとはいえません。ただ、このような症状を持つ人は、ナス科食材を食べてから数時間で症状が出たり悪化しないかを一度確認してみるといいと思います。
by nutmed | 2012-10-03 22:30