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第1232回 卵巣がんの予防

今日は定例の栄養カウンセリングで神田淡路町の神尾記念病院に来ていますが、今朝は今シーズン一番の冷え込みで、家から外へ出るとひんやりとした空気が立ち込めて、身が引き締まる朝を迎えました。 先週末から漂いはじめたキンモクセイの香りもあって、私はこの季節が一番好きですね。

さて、今日は卵巣がんの予防に有効な素材についての紹介です。
日本でも年々少しずつではありますが卵巣がんの発症数が増加を続けているようです。この状況は日本だけでなく、世界的にも同様の傾向にあって、生活習慣、食生活などもかかわっているものと考えられています。
今回このテーマを選択したのは、最近再びビタミンDの文献検索と整理をしていたところ、ビタミンDの不足が卵巣がんと強い因果関係があるという論文がたくさん見つかったことからでもあります。また、卵巣がんはほかのがんに比べ、ステージがある程度進まないと見つけることが難しいがんの一つでもあって、積極的な予防が卵巣がんの発症リスクを下げることにもなるからです。
まず、ビタミンDと卵巣がんの予防についてですが、ビタミンDについてはこのブログでも何回も特集していて、その中でがんの発症リスク、特に大腸がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がんの発症率とビタミンDの不足の関係が濃厚であるという報告は多数発表されています。その詳細な背景は、ビタミンDが代謝され、腎臓において水酸化酵素(1-α水酸化酵素)の働きによって合成される、1-α,25(OH)2ビタミンDという、ステロイドにも似た強い活性をもつビタミンDが、がん細胞の増殖を抑制するためと考えられています。乳がん、大腸がん、前立腺がん、卵巣がんはすべて同じ仲間で、組織の種類でいうと腺組織に由来するがん「腺がん」と呼ばれており、一般に化学療法、放射線療法が効きにくいがん細胞で、早期発見とともに積極的な予防が重要になります。卵巣がんなど、腺がん細胞の増殖を抑える作用を持つ、1-α,25(OH)2ビタミンDを合成するために必要な1-α水酸化酵素は、腎臓をはじめとする、胸部、前立腺、大腸、卵巣などの腺細胞組織に存在することが報告されています。つまり、腺細胞のがん化を予防するためには、充分な1-α,25(OH)2ビタミンDを常に合成することであり、ビタミンDが不足しないようにすることでもあります。そのためには、食生活でビタミンDが豊富に含まれた食材(おもに動物性蛋白質に豊富)を積極的に食べることと、日光浴も欠かせないでしょう。また、サプリメントでビタミンD(コレカルシフェロール)を補充することも大切だと思います。私がお勧めするビタミンD(コレカルシフェロール)はタラの肝油です。

次の卵巣がん予防の素材は、フラボノイドの1つであるアピジェニンです。
アピジェニンについては以前のブログでも紹介しています。
アピジェニンは、セロリ、パセリ、カモミール、トマトソースなどに豊富に含まれるるフラボノイドです。統計学的な研究調査では、アピジェニンには、がん細胞の発現を含めた炎症の原因となる物質(COX-2:シクロオキシゲナーゼ‐2:cyclo-oxygenase)の抑制効果が高いことが報告されています。COX-2はアレルギー症状、関節痛、リウマチなどの炎症にもかかわる物質なので、炎症を抑える目的でアピジェニンが豊富な食材を摂ることは有効です。
私がお勧めする卵巣がん、乳がんの予防のためのアピジェニンレシピは、パセリとセロリのトマト仕立てスープですね。
by nutmed | 2012-10-17 12:59