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第1240回 エンテロウィルスと粉ミルクが1型糖尿病のリスクを上昇

今日は朝から晴天で、雲ひとつない川越です。気温も上昇し日光浴には絶好の陽気です。

さて、今日は腸に感染するウィルスでもあるエンテロウィルスと牛乳ベースの粉ミルクの摂取が、Ⅰ型糖尿病と深い関係があるということについて紹介します。
久々に溜った論文文献の整理をしていたところ、今年2012年の2月にフィンランドのTurku大学のLappalainenらの研究チームによって発表された論文(Interaction of enterovirus infection and cow's milk-based formula nutrition in type 1 diabetes-associated autoimmunity.Diabetes Metab Res Rev. 2012 Feb;28(2):177-85. )を見つけました。
エンテロウィルスとはポリオウイルス、コクサッキーウイルスA群・B群、エコーウイルスで構成されるウイルスのグループに属するウイルスの総称で、腸管内で増殖するウィルスです。感染しても何の症状もない人が多く、かぜ様症状やインフルエンザ様症状を起こすこともあります。子どもの夏カゼの代表としてよく知られる手足口病、ヘルパンギーナを起こすウィルスでもあります。一方、Ⅰ型糖尿病は、Ⅱ型糖尿病とは異なり、インスリンをつくる膵臓の細胞に攻撃をしかける、いわゆる自己免疫疾患で、インスリンを作ることが困難になることで血糖値のコントロールができにくくなる状態です。
かなり昔からエンテロウィルスも牛乳もⅠ型糖尿病の原因ではないかと考えられていて、世界中でたくさんの研究報告がなされており、日本でも大阪医科大学などでエンテロウィルスの感染がⅠ型糖尿病を引き起こす原因に深く関わっていることが報告されています。
今回の論文の研究者の1人でもあるLappalainenは、Ⅰ型糖尿病の研究者としては世界的にも著名な研究者で、フィンランドは世界的にもⅠ型糖尿病の患者の多い国でもある背景があると思います。
牛乳とⅠ型糖尿病のの関係については100年ほど以前から因果関係があることが報告されていますが、その閉経には、牛にに含まれていて、人間が消化分解困難なカゼインというたんぱく質が原因である可能性が高いと考えられています。
今回のLappalainenらの研究調査では、Ⅰ型糖尿病のを発症した人の乳児期のエンテロウィルスと牛乳ベース乃粉ミルクの摂取時期を過去にさかのぼって調査した結果、生後3カ月以前に牛乳ベースの粉ミルクをスタートした乳幼児で、その後12カ月までにエンテロウィルスに感染してた人が多いことがわかったという報告です。
エンテロウィルスの感染と牛乳ベースの粉ミルクの早期摂取が、その後の成長過程でⅠ型糖尿病を発症しやすい原因の詳細は今後の研究にゆだねることにあんりますが、以前からⅠ型糖尿病の発症要因の中でもかなり高い要因の2つが揃ってしまうことで、Ⅰ型糖尿病を発症しやすくなることにはうなずけるものがあります。

最近では、昨年3月11日の原発事故以来、乳児に粉ミルクを与えることを心配し、ギリギリまで母乳で授乳をする母親が増えていると聞きますが、依然として早期に母乳を切ってしまい粉ミルクへでの授乳を行う母親がいることも事実です。それぞれの生活環境や考え方がありますから、それを一概に否定することはできませんし、否定するつもりもありませんが、少なくともカゼインというたんぱく質は、消化分解能力が未熟な乳幼児にとって、場合によっては自分の細胞に攻撃を仕掛ける原因をつくるだけでなく、カゼインに対する不耐性をつくる背景になることは事前の知識として、多くの母親には認識していただきたいと思いますね。
by nutmed | 2012-11-08 10:46