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第1244回 再び副腎疲労改善へのアプローチ

先週末はバイク仲間のおじさんたちと久々の1泊ツーリングに、津波の爪後の残る福島県いわき方面を走ってきました。目的は、今年の8月にバイク事故で亡くなった我々のバイク仲間の73歳の大先輩の追悼ツーリングです。自宅のある茨城県に伺い線香を手向けてきたときに、残された奥さんが「死んだことは悲しいけれど、この歳まで生きて最後は大好きなバイクで逝ってしまったことはこの人にとっては大往生で幸せな最後だったのかもしれない」という言葉に重みを感じるとともに、何故か幸せだったんだろうなと感じました。今回のツーリングで今年のツーリング納めになりました。

さて、今日は、最近再び増加の兆しがある副腎疲労の改善のための生活習慣について数回にわたって紹介します。副腎疲労については私の過去のブログではかなり時間を使って扱ってきたテーマですので、背景の詳細はそちらを復習の意味で参考にしてください。今日はコルチゾールと睡眠についてです。
私が栄養カウンセリングを行っている神尾記念病院でも青山外苑前クリニックでも、この半年の間のクライアントの傾向を見ると、副腎疲労の症状を持った人、特に女性が多いことに気がつきます。また、年齢も20歳後半から40歳前半までの女性が圧倒的に多いと感じます。食生活を含めた生活習慣とストレスやアレルギーに関わる背景のヒアリングアンケートを行うとともに、だ液を使った副腎皮質ホルモンのコルチゾールのリズムの検査をお願いし、食物不耐性(IgGアレルギー)検査をお願いすることで、今目の前にある症状の原因がかなり集約されてくることがすくなくありません。
コルチゾールを検査する目的は、副腎の1日の働きのリズムを確認するためです。コルチゾールは、副腎で産生されるホルモンで、甲状腺ホルモンの活性化、骨吸収、筋力、エネルギー生産(糖代謝)、感染症や癌に対する抵抗性、自己免疫疾患の進行、およびアレルギー反応の強さなど、多くの身体の機能をコントロールする重要な機能を持っています。
コルチゾールには1日のリズムがあり、それが同様に副腎の機能のリズムでもあります。コルチゾール(副腎機能)は早朝に一気に高くなり、時間の経過とともに徐々に低くなり、夜から翌朝までは最低のレベルになるような周期リズムを持っています。この24時間のサイクルはサーカディアンリズム( circadian rhythm,)と呼ばれ、このリズムが乱れ崩れることによってエネルギー生産(糖代謝)や免疫機能をはじめとする体内環境に悪影響を与え症状として現れることになります。副腎のサーカディアンリズムに変調をきたすことによって、疲労感、出血、感染症、骨粗しょう症、性欲、不妊、片頭痛、ニキビ、腹部膨満感、低血糖、血圧の乱れなどの可能性があります。また、副腎の働きは睡眠にも影響を及ぼしますが、本来働きが低い状態であるべき夜間にコルチゾールが高くなり副腎の働きがハイテンションになることで、深い眠りに関わるノンレム睡眠(NonREM Sleep)状態に入るスイッチを阻害し、途中覚醒が起きたり、睡眠困難の状態を招き、結果として睡眠不足が慢性化することで、昼夜問わず眠気に襲われることが少なくありません。
レム睡眠(REM Sleep)は、皆さんが夢を見る睡眠状態になり、呼吸数が増加する一方で筋肉が緩んでリラックス状態を伴う睡眠です。レム睡眠状態の時に夢を見る背景では脳の活動が高まっている状態でもあります。8時間以上十分な睡眠があったにもかかわらず、ぐったり疲れ切ったような気分で目覚めることがある人の多くは、レム睡眠が何らかの原因で中断してしまうか、単発的であったことが考えられます。
副腎疲労や低血糖、慢性疲労を訴える人の多くが睡眠が十分ではなく、日中に眠気に襲われたり、食後に睡魔が襲ってくる原因の1つが、この夜間の睡眠のメカニズムでありその背景にあるコルチゾールのサーカディアンリズムのアンバランスな状態、特に夜間にコルチゾールの高い状態を作ってしまうことにあります。
つまり、副腎疲労を改善し、その症状の1つでもある睡眠障害と疲労症状を改善するためのポイントは、副腎皮質でつくられるコルチゾールのリズムを整えることにあります。つまり、日中は組織臓器の活動に併せて上昇し、必要に応じて高いレベルを維持させ、夜間には不用意に高いレベルにならないようにする生活習慣を心がけることにあります。
食生活でコルチゾールを上昇させないようにするためのポイントは、GI値(グリセミックインデックス)に注目した食材選択だと思います。つまり、GI値の数値が高くなるほどコルチゾールの生産分泌量(要求量)は比例して高くなるということでもあります。GI値についてはネット上で検索参考にしていただければいいですが、端的に言うと「糖分が高く、繊維質が低い食材」がGI値の高い食材です。糖分は脳と筋肉を活動させるエネルギー源でもあるので、理由もなく不必要に糖分の摂取制限をすることには私は反対で、体の組織臓器の活動に伴い要求される最適な糖分の供給と同時にそれに伴い必要に応じたコルチゾールの上昇は必要だと思います。GI値の高い食材は、食べてから後、およそ5時間はコルチゾールレベルに影響をあたえることが報告されています。したがって、朝食に精製漂白された砂糖、でんぷんが豊富なGI値の高い食材を大量に食べることは、その後のコルチゾールのバランスにも影響を及ぼし、結果として夜の睡眠への布石を残すことにもなります。
加えて、自分のエネルギー代謝の潜在的なタイプが炭水化物タイプなのかたんぱく質タイプなのか、両者を備えたミックスタイプなのかを理解しておくことも重要だと感じます。

今現在、慢性的な疲労感があり、寝つきが悪く、夢を見るような熟睡が持てなくて、朝までに途中覚醒を頻繁にする、また、日中の睡魔がある人は一度、自分の1日の食事の内容をチェックしてみて、GI値を目安にした食事を実践してみて、睡眠や疲労感に変化があるかを確認して診ることをお勧めします。

次回はコルチゾールリズムを整える生活習慣についてです
by nutmed | 2012-11-27 14:02