第1251回 ノロウィルスの予防と感染拡大防止にブドウ種子エキス!

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本日はクリスマスです。 週末のイブは皆さん家族友人、大切な人と穏やかな時間を過ごせたでしょうか?
今日のテーマはノロウィルスの予防についてです。 2006年に感染拡大が話題になったノロウィルスですが、今年は前回以上に感染範囲が広く、感染スピードが速く、想像以上に重症のケースが連日報道されていますね。
今回のノロウィルスは前回に比べ顔つきが変わり、数段に強力なウィルスに変異したウィルスのようです。感染拡大は日本だけにとどまっておらず。オーストラリア、アメリカ、中国、韓国、シンガポールなどでも感染拡大が懸念されています。残念ながらワクチンが作り難いウィルスで、世界中で未だに有効なワクチン生産には至っていません。連日のTVのニュースで報じられているように、今のところ手指の十分な消毒洗浄しか予防手段がないようです。
しかし、先月にベルギーの研究チームがブドウの種子のエキスには、ノロウィルスの増殖を抑え、ウィルスの感染力を低下させるに十分の効果があるという発表をしました。(D. Li, L. Baert, D. Zhang, M. Xia, W. Zhong, E. Van Coillie, X. Jiang, M. Uyttendaele. Effect of Grape Seed Extract on Human Norovirus GII.4 and Murine Norovirus 1 in Viral Suspensions, on Stainless Steel Discs, and in Lettuce Wash Water. Applied and Environmental Microbiology, 2012; 78 (21): 7572 DOI: 10.1128/AEM.01987-12) この実験では、マウスに感染するノロウィルスを使っていますが、人間に感染するノロウィルスとほぼ同じ種類のウィルスで、人間におけるブドウの種子エキスの効果も十分期待できると報告しています。
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ブドウの種子エキスにはOPC:Oligo Proanthocyanidins)オリゴメリックプロアントシアニジンというフラボノイドが含まれており、OPCには、ウィルスの増殖を著しく抑える強力な抗ウィルス作用があるため、今回のベルギーの研究チームによる研究内容もこのOPCによるものだと思われます。
最近では、日本だけでなくチリやオーストラリアをはじめとして、世界中のブドウの品種が年間を通して入手できるようになりました。 昨日も近所のマーケットに出向いたところチリ産の種ありの赤いブドウがおいてありました。
アメリカやヨーロッパでは、皮の薄い種ありの品種を、皮ごと、種も一緒に食べてしまうことは珍しくないですが、私がお勧めの方法は、ジューサーで種も一緒にすり潰すように実と絞って、ジュースとして飲む方法ですね。
高齢者と幼児がノロウィルスに感染すると症状が重くなることはTVなどで報道されているとおりですので、予防のためにも、ブドウの種のエキスを積極的に摂ることは有効な方法だと考えます。
ノロウィルスのピークは12月から2月の初旬と言われていますので、これからしばらくは要注意の時期です。
by nutmed | 2012-12-25 12:54