2013年 02月 05日
第1262回 アンモニアの体内蓄積について
さて、今日は、アンモニアが体内に蓄積する背景に空いて紹介します。
肝臓、筋肉以外の細胞組織では、生じたアンモニアがグルタミン酸と結合することでグルタミンに変化します。このときアンモニアがグルタミン酸に結合してグルタミンに変化するためには、ADP(アデノシン2リン酸)が必要になります。ADPはエネルギー生産工場としても有名な「ミトコンドリア」で生産される物質でもあります。ですから、ミトコンドリアの働きが低下している場合、(例えば必須脂肪酸の不足やビタミンC、マグネシウムの不足によるもの)にはADPの生産が不足するためにアンモニアがグルタミン酸経由でグルタミンに変化しにくくなります。特に脳内でこのような状況になると、脳内にアンモニアが過剰蓄積することで、頭がボーっとしたり、集中力に欠けたり、パニックを起こしたりすることもあります。
血中のアミノ酸分析をしてアルギニンが低い場合には注意してください。
肝臓で生じたり、体内の組織から余剰になって肝臓に運ばれたアンモニアは肝臓にある「尿素回路」の中で尿素窒素、グルタミン、グルタミン酸に変化します。アルギニンはこの回路の中でアンモニアが変化した尿素窒素を体外に放出する働きがあります。アルギニンが低い場合、体外に尿素窒素を排泄する能力が低くなり、血中の尿素窒素が上がってきます。
成人では、1日約30gの尿素が排泄されますが、このときに肝臓では、エネルギー源として有名なATP(アデノシン3リン酸)が不可欠で、このときに必要なATPの量は実に肝臓の1日のエネルギー代謝の約15%相当量が消費されます。この量は一般成人の基礎代謝量で消費されるATPの2-3%相当となり決して少ない数字ではないんですよ。
*注:血中尿素窒素が上がる背景にはアルギニン不足だけでなく、腎臓の働きが低下していたり、高タンパク食を継続的に摂取している場合でも起こります。


