2013年 02月 20日
第1263回 ビタミンDの不足が乳がん発症リスクを高める
その時のはぴょうでは、ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD)の血中濃度が高いほど、乳癌の危険性は低かったことが 明らかになりました。血中濃度が52ng/mlの女性は、血清濃度12ng/mlまたはこれ以下の女性に比べ、乳癌発生の危険性が50%低かったそうで、 この血中濃度に達するには1日あたり3,000IUのビタミンDを摂取するか、南カリフォルニアに住む女性と同じくらい日光(1日3時間)を浴び、屋外で 相当時間過ごす必要があるということです。
もう一つの研究では、トロントの研究者が、乳癌と診断された576人の患者と乳癌に罹っていない 1,135人の女性にインタビューを行った結果、そこで乳癌発生の危険性の減少と、思春期における太陽への暴露の直接的な相関関係が明らかになりました。 10歳から19歳の間、屋外での長い時間過ごした人は乳癌発生の危険性がおよそ40%減少し、10歳から29歳の間頻回に野外活動に参加していた人につい ては、乳癌発生の危険性がおよそ35%減少したとうことです。ただし、最近話題になっているオゾンホールの問題があり、強い紫外線を長時間浴びることへの 懸念はありますね。日の光を浴びることができないなら、タラの肝油とその他の栄養源から毎日3,000から4,000 IUのビタミンDを摂取するこはお勧めですね。安全なビタミンDの1日最大摂取量は10,000 IUであることを忘れてはいけません。
ビタミンDが乳がんにどのように関わっているかということですが、2002年の4月にイギリスのバーミンガム大学(The University of Birmingham)の研究チームが、乳がん細胞の抑制とビタミンDの関係を裏付ける報告を発表しています。乳がんとビタミンD、そのほか前立腺がん、 大腸がんとビタミンDの関係については、ビタミンDの活性をもった型である、1-α,25(OH)2ビタミンDががん細胞の増殖を抑制する研究報告が 2000年以前から発表されていましたが、2002年のバーミンガム大学の報告で、その関係性が強いことが報告されています。腎臓において水酸化酵素(1-α水酸化酵素)の働きによって1-α,25(OH)2ビタミンDという、ステロイドにも似た 強い活性をもつビタミンDが作られることがわかっていますが、この報告によれば、1-α水酸化酵素は、腎臓だけでなく、胸部、前立腺、大腸のほか、様々な臓器 組織に存在することが報告されています。つまり、1-α,25(OH)2ビタミンDには、がん細胞の増殖を抑える働きがあること、その1- α,25(OH)2ビタミンDは、1-α水酸化酵素によってビタミンDからつくられること、そして、そのためにはビタミンDが紫外線を浴びることによって、皮膚の細胞で合成されることと、ビタミンDが豊富に含まれる食材を食べ、正しく吸収されることによってビタミンDが補充できるということにもなりま す。
そこで、乳がんの罹患率が、同じ年齢でも昔よりも増えていることと、乳がん発症年齢自体が低年齢化している背景の1つ には、紫外線に浴する機会が減ったこともさることながら、ビタミンDの含まれた食材を食べなくなってきていることもあるのではないかと、私は思っていま す。 イギリスやドイツ、カナダでは、乳がん、前立腺がん、大腸がんの予防に、1日5分ー10分程度の日光浴と、ビタミンDが豊富に含まれる食材、特に魚を積極的に食べることを、国や州をあげておこないはじめています。
早期発見の技術の進歩も歓迎ですが、それ以前にビタミンDの積極的な摂取、日光浴を行うことも大事ですね。


