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第1265回 アルギニンの効果

今日のテーマはアミノ酸の1つ、アルギニンの作用効果についてです。
アルギニンというアミノ酸は、体内で作ることができないために食材などから摂取しないと賄うことができない「必須アミノ酸」という分類をされていますが、幼児期から思春期にかけてアスパラギン酸とグルタミン酸によって体内でも合成できるアミノ酸なので、性格には「準必須アミノ酸」と言えます。
アルギニンには以下のような働きがあります。
・コラーゲン、エラスチン、血液に含まれるヘモグロビンの合成
・精液の合成(精液の80%はアルギニン)
・アンモニアの代謝
・クレアチンの合成
・窒素(NO)の合成
・手術の前後、傷の回復促進
・マンガン欠乏症改善(マンガンの体内吸収に必要なキレートエージェント)
・コレステロール抑制(脂質代謝を促進)
・老化抑制(成長ホルモンの生産促進)


2004年ポーランドののkarol Marcinkowski大学の研究チームが17人のボランティアで、アルギニンの経口服用による運動能力にどのような影響を与えるかの検討野発表が行われています。1回彩利3gのアルギニンを1日3回、系9gを飲んでもらい、毎日、疲労感を感じるか、息苦しくなるまで運動を継続してもらいました。7日間が経過した後、アルギニンを飲む前に運動を行い疲労感と息苦しさを感じるまでの時間を確認したところ、1日当たり9gのアルギニンを飲んで以降と比較すると全員が、明らかに疲労感と息苦しさを感じるまでの時間が長くなっており、また疲労感の回復時間も短くなっていることが報告されています。この背景にはアルギニンが体内で一酸化窒素(NO)の合成に不可欠なアミノ酸であり、NOがアルギニンが心臓を含む循環器の働きを担う、筋肉のリラックスに重要な働きを持っているからです。
NOは体内で非常に重要な働きをもった物質で、以下のような働きがあります。
・生体防御
・ガン細胞の破壊
・細菌、ウィルスの殺菌
・血管平滑筋を弛緩と拡張
・血流量増加
・血圧の抑制
・気管の弛緩
・胃壁の保護
・利尿作用
・腸のぜん動運動促進
・男性勃起機能改善


このほかに、アルギニンの働きには、血糖の代謝にかかわるインスリンとグルカゴンの合成というものがあるので、栄養療法では2型糖尿病患者や予備軍となる方に、アルギニン(L-Arginine)の摂取を勧めることがありましたが、人での臨床研究の数がそれほど多くはないために、糖尿病患者の栄養管理(特に日本では)の中に取り入れられることは多くなかったように思います。
2009年7月にイタリアの循環器糖尿病研究所の研究チームが、人によるアルギニンの血糖低下作用の検討結果を発表しましたが、この報告によると、アルギニンには従来から言われているように、インスリンの感受性を向上させ血糖(空腹時)を抑える作用があることが改めて報告されています。

2型糖尿病の合併症予防に対する栄養療法では、アルギニン単独を使うことは稀ですが、それでも1日あたり3,000mgのL-アルギニンを3回にわけて接取してもらうことで、血糖値の管理は良好になることが少なくありません。糖尿病の家族歴がある場合や、血糖値が高くなりやすいことが心配な方の場合には、アルギニンが豊富に含まれている食材を積極的に食べてもらうことでも十分予防効果はあります。
アルギニンが豊富に含まれる食材としては、豆類、ビール酵母、玄米、カカオ、チーズ、ゴマ、大豆、ひまわりの種、ホエイ、アボカドがありますが、アボカドについては先日のブログで紹介したマンノヘプツロースという糖がインスリンの生産を低下させる働きがあることがあるため、注意をしていただいたほうがいいかもしれません。私が最もお勧めする素材としてはやはりヒマワリの種ですね。

アルギニンの摂取に際しては注意してもらうべきことがあります。単純ヘルペスに感染し症状が現れている場合には、アルギニンの摂取を控えるてください。これはアルギニンには単純ヘルペスウィルスのDNAの複製を促進する作用があるためで、ヘルペスの症状を悪化させてしまうことがあります。
余談ですが、単純ヘルペスウィルスの症状がでた場合には、同じアミノ酸のリジン(L-Lysine)を摂取するといいでしょう。リジンにはアルギニンと逆の作用として単純ヘルペスウィルスのDNAの複製を阻害する作用があります。
by nutmed | 2013-03-01 09:09