第1280回 副腎の機能を考えたビタミンCの取り方

雑誌や書籍でも扱われることが増えた慢性疲労ですが、その症状の改善の目的で摂取が有効とコメントされている栄養素がビタミンです。ビタミンC(アスコルビン酸)には、副腎疲労の症状の背景の1つである、副腎が作るステロイドホルモンのコルチゾールを安定的に生産する作用がある一方で、コ副腎からのルチゾールの分泌を抑える働きがあります。副腎疲労の背景、特に副腎疲労の初期段階では、様々なストレスを受けることや、でんぷん質の炭水化物の過剰摂取によって、脳からのシグナルで、副腎がコルチゾールを大量に生産するよう促されることによる体内環境への様々な影響があることです。以前に投稿したテーマでも副腎には1日の中で働きのリズム(日内変動)があり、そのリズムのパターンが崩れることが副腎疲労の症状の背景になっていることを紹介しています。ビタミンC(アスコルビン酸)を摂ることで、副腎疲労の原因を作っているコルチゾールの過剰な分泌を抑え、副腎のリズムを補正することがビタミンC(アスコルビン酸)を摂ることが勧められる背景にあります。副腎疲労に関心がある人や、今の自分の症状が副腎疲労に近いと感じた人たちが、雑誌、書籍。またはネット上で「副腎疲労の症状の改善にはビタミンCが不可欠! 摂取推奨量は1日あたり3,000mgです」を見てせっせとビタミンCを飲むわけです。確かにコルチゾールが過剰に分泌されるような、いわゆる副腎疲労の初期段階の人の場合にはビタミンCの摂取は有効だと考えます。しかし、副腎疲労の中には、コルチゾールの生産量が低下してしまうシビアな人がいて、私が栄養カウンセリングを行っている病院でも、唾液で検査してもらうとコルチゾールが十分に生産できない人が副腎疲労を訴える人の中に想像以上に多いようです。もし、このように副腎疲労の症状が進行しているコルチゾールの腺サインが十分でない人に、一律マニュアル通りにビタミンCを飲んでもらったら、益々コルチゾールの分泌量が減り、症状は悪化する場合もあり得ます。少なくとも、症状が副腎疲労の可能性があるからと言って、副腎機能の状態を確認せずにビタミンCを3,000mgも飲んでもらえば逆効果になる可能性は否定できないでしょう。
副腎疲労とは関係ないですが、日本人の摂っているサプリメントのTOP3には必ずビタミンCがあげられるでしょう。一方で副腎の1日のリズムを見ると、午前5時から8時くらいからコルチゾールの生産と分泌が上昇するとともに副腎の働きが立ち上がり、昼に向けて上昇します。その後、午後9時くらいにかけてコルチゾールの生産と分泌量は低下し副腎の働きも低下し、就寝後から翌朝にむけての休息期にはいります。つまり、これから1日がスタートするために「全能の臓器」とのいえる副腎にスパークが入る朝、コルチゾールの分泌量を抑えてしあうには充分量のビタミンCを飲んでしまうことは副腎の働きにも影響を及ぼすことにもなるわけです。逆に、夜間にストレスが多く感じられた日や、夜間にジムで筋トレをしコルチゾールが過剰に生産されたような場合では、積極的にビタミンCを飲むことは、アドレナリンのダダ漏れの副腎興奮状態を抑えるためには有効だと考えます。こんな研究報告は世界中探しても検索できないかもしれませんが、うつ症状をはじめ、副腎疲労にかかわる症状を持つ人や、朝から元気があがらない人には、朝一番で10000mg以上のビタミンCを毎日飲んでいるなんてことがあっても不思議ではないかもしれませんね。
by nutmed | 2013-05-13 16:13