第1287回 再びビタミンDについて その4

今日はある臨床医から届いたビタミンD3と糖尿病の治療経過についての紹介です。昨年11月の投稿記事で。ビタミンDがインスリンの抵抗性を低下させる作用を持つことについて紹介しました。。
新潟で内科クリニックを開業されているこのドクターが、2011年からケアしている50歳前半の2型糖尿病の患者がいます。職業は大手ゼネコンのトンネル掘削作業員で、食べることが何より大好きな、肥満傾向にある男性です。
薬剤治療と食事療法を行ってきていますが、ドクターと患者本人の期待通りに血統コントロールができず、その指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)も7.2%前後を行き来する状態です。食事療法は管理栄養士の指示メニューを厳格に進めているにもかかあらず、なかなか改善しない状態でした。
以前から私のブログを定期的に読んでいただいていたこのドクターは、肥満傾向にある2型糖尿病患者の場合、その背景にはインスリンに対する強い抵抗性があることに興味を持ち、その患者の血液中の25-OHビタミンDの数値を検査すると、26ng/mlで、インスリン抵抗性を改善してみるアプローチを考えました。昨年12月からビタミンD3を毎食後に2000IU(50マイクログラム)、1日あたり6000IUの服用継続と、食事指導でカルシウムの含まれる食材の摂取を進めてきました。
その後毎月のHbA1cの定期的な経過観察をした結果、今年の2月には6..6%、4月には6.2%、5月17日には5.9%まで改善しました。
加えて98kgあった体重が5か月で87kgまで減量しています。

2011年8月にアメリカのタフツ大学とハーバード大学の研究チームによる臨床検討によると、1日あたり50マイクログラム(2000IU)のビタミンD3と400mgのカルシウムを1日に2回、16週間摂取してもらった92人の2型糖尿病、またはその予備軍の人の経過を観察したところ、2つのサプリメントを摂取しなかったグループに比べ、血糖コントロールの指標でもあるヘモグロビンA1c(HbA1c)の数値が低くなり、逆に摂取しなかったグループでは平均してHbA1cが高くなっていたと言う報告があります。
この背景ににはビタミンDが機能するためには、「受容体(レセプター)」が不可欠であること。
ビタミンDが「鍵」だとすれば受容体は「鍵穴」で、ドアを開けるためにはビタミンDが不可欠という関係があり今回の場合には、ビタミンDの鍵に対して、膵臓や血管に存在する鍵穴がビタミンDの受容体だと考えられます。
また、この研究報告では、ビタミンDの体内での代謝物質である血液中の25-OHビタミンDの数値が、24.5ng/mlよりも低い場合には、インスリン抵抗性を持ちやすくなる傾向があると報告していることから、2型糖尿病の治療にはビタミンD3の日常的な摂取が有効だと考えられます。
by nutmed | 2013-05-29 12:43