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第1316回 糖分を捕食して成長するガン

今日は、メタボリックシンドロームを肇、2型糖尿病、肥満の人では、癌のリスクが高くなるという研究発表の紹介です。
2型糖尿病や肥満など、代謝性疾患を持つ人は、一般の人に比べて乳房、肝臓、大腸や膵臓癌を含む特定の悪性腫瘍のリスクが高いことは以前からの研究で報告されてきたものです。 何故これらのインスリンに強い抵抗性を持ち、インスリンの働きが抑制されている人たちの体内で、癌が活発に増殖するのかについての原因背景が不明でした。
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アメリカニューヨーク州にあるマウントサイナイ医科大学の研究チームが、ショウジョウバエを使った実験によって、特定の組織細胞の癌が、糖分を積極的に吸収して増殖をすることを2013年8月に報告しています。
2型糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどの、炎症をともなうインスリン抵抗性が強くなる人の体内では、血中の糖分が細胞に取り込まれるために機能するインスリンに抵抗性を持つことから、癌細胞の増殖に必要な糖分の供給が滞ることになるはずなので、癌細胞の増殖は低下してもいいはずになるわけです。
この研究発表を見ると、インスリン抵抗性を持つッショウジョウバエでは、糖分が高濃度になった場合に、癌細胞の遺伝子に変化が起こり、癌細胞自身が積極的に糖分の取り込みを促進するように変化を起こす可能性が高いことを突き止めました。ショウジョウバエに高タンパク食餌を与えていた時には、この変化はおきませんでしたが、高濃度の糖分の食餌に変えた直後に、癌細胞による糖分の取り込が活発になり、癌細胞の増殖が起きることがわかりました。
研究チームは、この現象が人の体内でも同様に起きることを人の細胞を使って明らかにしています。

この報告を考えると、正常な細胞のエネルギー源にもなる糖分を制限するような、糖質制限や低炭水化物食材でのコントロールをする以前に、インスリンの作用が抑制されるおうな炎症をともなうインスリン抵抗性を改善するとともに、特にリスクグループとなるメタボリックシンドロームの生活改善をすることが優先課題として考えられるべきだと思います。
日本ではすでに死語になりつつあるメタボリックシンドロームについては、高齢化が一段と高まるいまだからこそ、食生活と生活習慣の改善見直しに注目するべきではないかと思います。
by nutmed | 2013-09-13 17:12