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大1321回 ヒスタミン不耐性について No.1

週末は栄養医学研究所のある川越で「川越祭り」が行われましたが、生憎の雨で、京都の祇園祭にも劣らぬ山車の練り歩きも大幅に縮小中止となり残念でした。これだけの豪華で華やかな山車は、京都や岐阜高山には引けを足らない祭りで、東京からも遠くない川越の地で行われている祭りですので、東京近郊に住んでいる方は是非来年は見物に来ていただきたいですね。

10月11日、シーチキンで有名な「はごろもフーズ」がシーチキン マイルド缶詰から、社内基準を超えた量のヒスタミンが検出されたとして、素手の流通されている672万個の回収を開始したことが報道されたのは記憶に新しいでしょう。まず、私がここで気になり、気に入らないのは、マスコミの見識のなさと調査不足です。新聞やニュースの見出しの多くは「はごろもフーズが製造したシーチキンからアレルギー物質のヒスタミンが検出され672万個を回収へ」でした。ヒスタミンはアレルギー物質ではありません。確かにヒスタミンの性質から、アレルギー症状を引き起こすことはあっても、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン=たんぱく質)ではありません。
このヒスタミン、決して花粉症、ダニ、ハウスダスト、食材のアレルギー物質だけに反応するのではなく、ヒスタミンという化学物質そのものに不耐性を持つ原因による様々な症状が、アメリカを中心に確認されるようになり、「ヒスタミン不耐性」という症状が動物だけでなく人の臨床実験によっても確認されてきました。
私が行っている栄養カウンセリングで対応するクライアントの中にも、頭痛、PMS,不眠、疲労など、慢性化傾向にある症状を持つ人の原因背景に、このヒスタミン不耐性が買う人された人が見られるようになってきました。
今回から、日本ではあまり馴染みのないヒスタミン不耐性について、少し継続テーマで紹介したいと思います。
1、ヒスタミンとは?
一般的には、じんましんの原因とされているヒスタミンは、多くの体の機能には欠かせない、非常に重要な生理活性化学物質で、神経伝達物質であり、胃酸、血管、筋収縮、および脳機能の調節に関わっています。 ヒスタミンは、ヒトでは皮膚、肺、胃で最も量が多く、脳と心臓では少量確認されています。
ヒスタミンは肥満細胞(MAST Cell)でつくられ、全身に分布していて、白血球や肥満細胞に格納され存在しています。ウィルスや、アレルギー症状の原因物質となる花粉、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケなどが体内に侵入してくると活性化され、生体システムを防御する最初の防衛化学物質として血液細胞中に放出されます。放出されたヒスタミンは、ヒスタミンの受容体(H1レセプター)と結合し、体内に侵入した病原体や毒素が全身に拡散しないよう、炎症を起こすことによって外部から侵入した異物から細胞の働きを守るほか、血管拡張、血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮を担います。
*注:血管透過性亢進とは、血管内皮細胞の間隔を拡張させることで血管の収縮を増大させるとともに、貪食細胞(マクロファージ)や白血球などの細胞が血管をすり抜けて、炎症部位へ運ばれやすくする状態を言います。
鼻水、咳、くしゃみ、目の痒み、じんましんなど、アレルギー症状が発生する背景には、ヒスタミンが過剰に生産されることによって、血管透過性亢進を伴う血管の拡張、収縮によって細胞の浮腫、炎症の憎悪が拡大することがある。
2、ヒスタミンは人間の生体外でもつくられる

ヒスタミンは人の体内でつくられるだけでなく、食品や飲み物からの摂取して体内に入る経路も有ります。ヒスタミンは、アミノ酸のヒスチジンを、バクテリアが持つ代謝酵素によって生産することが確認されています。味噌、醤油、納豆、キムチ、鰹節、塩辛、醸造酒、ナタデココ、アンチョビ、漬けもの、魚醤、発酵バターなど微生物による発酵食品をはじめ、ヨーグルト、ナチュラルチーズ、ワインの製造過程で関わるバクテリアの多くが、発酵過程でヒスタミンを生産します。このほか、熟成工程や保存加工を経た肉や魚で使用するバクテリアも同様にヒスタミンを生産します。ヒスタミンを生産するバクテリアの中には0℃前後の低温で繁殖する種もいて、長期間冷蔵保存している魚等でも保存中に大量のヒスタミンが生産されることが確認されています。

今回テーマにしたヒスタミン不耐性の背景には、花粉症等の原因となるアレルギー原因物質が引き金になる症状ではなく、生体外でつくられた食品中のヒスタミンを原因背景に持つと考えられる症状でもあります。
by nutmed | 2013-10-21 17:25