第1324回 ヒスタミン不耐性について No.4

ヒスタミン不耐性の4回目です。
アレルギー反応もヒスタミン不耐性も、ヒスタミンが直接的にかかわっているという共通点がありますが、いわゆる、アレルギー症状の原因の多くが、体外からの異物であるアレルギー物質に刺激され、自らの体内で作られたヒスタミンによって現れる症状です。一方、ヒスタミン不耐性の症状の原因の多くが、魚、肉、植物や、それらを使用して加工された発酵食品などに生息するバクテリアにyって作られたヒスタミンによって症状が現れます。、
通常、ヒスタミンが過剰になり炎症が拡大慢性化しないようにするため、人はヒスタミンを分解無毒化させる酵素ジアミン酸化酵素’DAO:Diamine oxidase) を作る能力を備えています。しかし、何らかの原因でDAOの生産能力が低下し、ヒスタミン量がDAOの量を超える状態をつくることで、ヒスタミンが細胞内に慢性的かつ大量に漏れ出し、粘膜の炎症と血管の収縮拡大m狭窄を拡大させることになります
DAOの生産能力低下の原因の1つには、先天的な要因もあることも報告されていますが、その他、栄養不足があり、ビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、必須脂肪酸の不足が確認されています。
体内で作られるヒスタミンも、バクテリアによって作られる自然界に存在するヒスタミンも同じアミンです。ヒスタミン不耐性の原因の殆どは食材など外部からのヒスタミンによるものですが、DAOが低下することで悪化するものですから、症状の経過は通常アレルギー反応と誤解されることがあります。私もすでに十人以上で経験していますが、アレルギー検査をしても反応が出ないのにヒスタミン由来の症状を持っている人は最近少なくないです。
実際にこのような例がありました。昨年3月に花粉症症状が出た男性が、耳鼻科で抗ヒスタミン剤を処方され、服用して3日間は症状が緩和したのに、4日目以降は再び、鼻水、目のかゆみに加えて、蕁麻疹、動悸と精神的な不安症状が現れてきました。最初、薬のせいかと思い、薬の服用を一時的に止めてみたそうですが、症状は治まらなく、今年は、春だけでなく、9月のはじめから同様の症状が現れ、栄養カウンセリングに来られた方でした。
1この男性の1週間の平均的な食事内容のヒアリングをかけると、チーズが朝食代わりになっていることと、、自炊で魚や肉の煮物を作ると、3日間はそれを食べることが多い食習慣がわかりました。私からの食事アドバイスで、3週間、発酵食材m乳製品、煮物の作り置きは避けてもらうことと、サプリメントでビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、必須脂肪酸を摂ってもらうようにしました。
鼻水、目のかゆみが出なくなったのは、このヒスタミン除去食をはじめて1週間目で、3週間目が終了した時点では、蕁麻疹、動悸、不安感もほとんどでなくなるようになりました。
j実は、私自身もヒスタミン不耐性の可能性が非常に高いことが最近わかりました。5年ほど前に花粉症の遅いデビューを果たし、抗ヒスタミン剤の厄介になるのはイヤだったために、例年シーズン前から、天然の強い抗ヒスタミン作用を持ったケルセチンを飲んでm症状の緩和を図ってきました。ところが2年前のシーズンから花粉症の症状が出なくなり、ケルセチンの服用もやめ、「加齢とともに免疫力が低下してきた兆しか?」くあいに考えていました。2年前の9月の胃カメラでヘリコバクターピロリ菌の中程度の繁殖が確認されて、薬で除菌を勧められられたものの、食事療法で繁殖拡大を抑える目的で、酵母、キノコ(菌子類)、麹、ワイン、漬物、チーズなどお避ける食事をしていた時期でもあります。
今年のスギ花粉シーズンも目立った症状はなく過ぎしてきましたが、8月に知人からいただいた、自家製の黒豚の麹漬を2日続けて食べた30分後くらいに、背中全面徒労足の膝にかゆみを伴う蕁麻疹が一気にあふれ出て、また、眼の周囲のかゆみに加え、左目で見る視界が真っ白になり、何も見えなくなる状態が1時阿抗炎症剤ん続きました。丁度mヒスタミン不耐性に興味を持ち、論文文献リサーチをはじめたころだったので、おそらくこれがヒスタミン不耐性が背景にある症状だろうと実感しました。
その後、ヒスタミン不耐性によるものかを確認するため、アメリカの友人の医師にお願いして、ヒスタミン分解酵素のDAOを送ってもらい、この10月初めの週末の2日間を使って人体実験を行いました。
初日の土曜日の昼食には、何も飲まず普通に、麹溝、ピクルス、納豆、キムチ、前日の朝に開封してラップをして冷蔵保存しておいたサバの水煮の缶詰、イカの塩辛を食べ、同じ食材をy翌日日曜日の昼に食べましたが、日曜日は昼食20分前にヒスタミン分解酵素を飲んでからの食事です。
初日の酵素を飲まない食事では、食後30分くらいに、背中に蕁麻疹が現れ、あまり出ることのない頭痛がありました。翌日の酵素を飲んで同じ食材を食べた時には目立った症状はありませんでした、
それ以降、しばらく発行食材、ワイン、漬物など、ヒスタミン含有食材については、少し避けて注意をするとともに、ヒスタミン酸化酵素DAOの生産を向上させるための、栄養素を意識して摂るようにしています。
残念なのは、ヒスタミンは鰹節にも含まれていることと、100℃でも分解しないので、大好きな蕎麦の蕎麦汁にも含まれるため、しばらく様子見をすることにしたことです。
by nutmed | 2013-11-06 15:48