第1343回 インスリン抵抗性改善に有効なベルベリン

昨日は関東地方でも強烈な春一番が吹き荒れ、早咲きの河津桜などの花弁が、早々と散り始めています。それでもこの週末の連休には、東京近郊のソメイヨシノの蕾も一段と膨らむ陽気になりそうです。

さて、久々の今日は、2型糖尿病治療中で、薬と、食事、運動療法をしている人の中で、想像以上に血糖値とヘモグロビンA1c(HbA1c)のコントロールが良好でない人の背景に内在する、インスリン抵抗性を抑える可能性が高いハーブ(漢方)素材についてです。2型糖尿病の人の多くが持つインスリン抵抗性を改善することが、血糖のコントロールを良好にし、高血糖による様々な合併症の進行を抑えることにつながると言ってもいいでしょう。
インスリン抵抗性は、インスリンがある程度作られているにも関わらず、インスリンに反応して、血液中の糖分が筋肉、細胞に取り込まれず、慢性的に血液中の糖分が高くなる原因になります。インスリン抵抗性の多くは、ストレス、過食・不規則な食生活・運動不足による肥満が引き金を引くと考えられています。
EU諸国とアメリカでは、インスリン抵抗性の改善が2型糖尿病のファーストチョイスとして、かなり以前から治療のアプローチが進められていて、処方薬も1957年にヨーロッパで承認され、その後アメリカでも承認され
広く処方されるようになったメトホルミン(Metoformin:Glcophage)が処方率の高い薬です。メトホルミンについては以前に特集をしているのでこちらを参考にしてください。
メトホルミンは、ゴーツルー(Goat’s rue)という植物の薬理作用を持ったグアニジンが主成分であることから、近年日本でも話題になっている「糖化」を抑制する素材として、2型糖尿病の合併症の背景に潜んでいるこの糖化を改善することが期待されてきた薬です。
一方で、メトホルミンには、筋肉疲労の原因として悪者扱いがはなはだしい、乳酸蓄積への誤解と懸念が潜在することや、男性ホルモン(テストステロン)を低下させる作用が報告されるようになり、45歳以降の男性更年期症状を伴う2型糖尿病男性の場合、メトホルミンの継続服用にょって、筋力低下、慢性疲労、精神的不安、男性機能低下(ED)などが現れるケースが報告されることが増えています。
この1年ほど前から、メトホルミンの副作用的な症状を補いつつ、インスリン抵抗性を抑え、糖化抑制などの面を大幅に改善する作用を持つ、ハーブ(漢方)の動物および人での研究結果が、いくつも報告されています。
その素材はBerberine(ベルベリン)という植物がもつ物質です。ベルベリンは、柑橘系植物のキハダ、漢方薬で使え有れる黄連(オウレン)に含まれる薬理作用のある物質です。日本では処方薬で、止瀉薬として下痢止め、抗菌・抗炎症・血圧降下などを対象に処方されています。アメリカではこれらの症状よりも、カンジダ菌の繁殖予防や除菌フォローのためのハーブとして使われることが多いでしょう。
最近では、インスリン抵抗性の改善、コレステロール、中性脂肪が慢性的に上昇する脂質異常症からくる血糖上昇の予防改善、ブドウ糖吸収阻害作用(αグルコシダーゼ阻害)、インスリンの生産抑制、抗がん作用、男性ホルモン(テストステロン)の分泌促進、エネルギー生産促進、そして、血管の機能に重要な働きを持つ、一酸化窒素(NO )の生産促進など、2型糖尿病の原因と合併症のよぼう改善に有効な作用を沢山合わせ持つベルベリンを使うドクターは、栄養療法だけでなく、糖尿病の専門医、歯科医、カイロプラクターにも増えています。
アメリカでは、上記のような2型糖尿病を取り巻く症状の改善、予防の目的で飲むベルベリンの量は、毎食後300~500mgとされています。使用初期に軟便になることや、腹部膨満感が生じることが報告されています。また、妊婦、授乳期の女性、15歳以下の児童んお使用は避けることが勧められています。
日本では、処方薬扱いなので、現在の主治医に相談のうえしょほうしてもらう価値は高いと思います。
英語ですがBerberineの内容紹介と研究論文集を紹介しておきます。
by nutmed | 2014-03-19 15:17