第1350回 グルコサミン その1

今日から数回、グルコサミンについて特集します。以前にもグルコサミンは扱ったことのあるテーマですが、再度グルコサミンを扱う目的は、2012年秋から構想を立ち上げ、企画設計してきた従来市販されているグルコサミンとは異なる、液体タイプのグルコサミンサプリメントがいよいよ完成し、今年3回目のモニター募集を行うことが決定したためです。
この液体グルコサミンサプリメントは、多くのグルコサミンサプリメントが、カニやエビなど甲殻類を原料としている素材に対して、樹皮のセルロースを原料とする植物性のグルコサミンを使用している点、および液体タイプなので、吸収が効率的であり、同じ量をカプセルや錠剤で摂ろうとした場合、平均的なカプセルや錠剤のサイズですと、1回あたりに数十個も飲まなければいけないところ、15ccほどで充分その量を摂ることができる点です。グルコサミンのほかに、コンドロイチン硫酸塩、MSMを同時に配合しています。
モニター募集はゴールデンウィーク中から、連休明けにかけて行いますので、ご興味のある方は、ご応募ください。また、今一度、グルコサミンについての知識を、ここで再認識してください。

日本でもすっかり関節炎の改善のための機能性成分として認知されたグルコサミンですが、その働きにはまだ不明な点が多いことも事実です。
グルコサミン(以下GSといいます)は、名前の初めにある「glucos」が示すように糖分と、「amine」が示すように窒素を含むアンモニアの副産物と水素が結合した物質です。
GSは軟骨組織に存在し、関節の働きにかかわっていることが知られており、人間では加齢とともにGSは減少し関節炎、関節痛を引き起こします。しかし、GSについてはまだ不明の部分が多く、GSがそれ自体で軟骨の働きを担っているという研究報告もあれば、GSだけではなくMSM、コンドロイチン、ビタミン・ミネラルなどと一緒になってはじめて軟骨を形成するという報告もありますが、現在までの研究で明らかなことは、GSは関節炎以外の症状の改善では有効である報告はありません。
GSと軟骨に関するいままでの研究報告を見ると、関節炎患者の軟骨組織の再形成に有効である報告はありますが、外科的に軟骨が切除された患者の軟骨再形成に有効である報告はありません。また、狼瘡や慢性関節リウマチのような関節に関る自己免疫疾患に対するGSの有効性評価については現在までに詳細な研究は行われていません。
GSは健康食品の1商品として日本でも認知度の高い商品ですが、このようにGSに関する研究は始まったばかりで、未だ不明な点が多いことも事実です。しかし、GSの関節炎の予防改善と関節痛の改善については評価が高い報告が多く、関節炎諸症状におけるGSの有効性は高いといえます。

・グルコサミン硫酸塩とグルコサミン塩酸塩
GSには主に2種類あり、食品のカテゴリーで健康食品として扱われているのは「グルコサミン塩酸塩」、医薬品のカテゴリーになるのが「グルコサミン硫酸塩」になります。価格から見るとグルコサミン硫酸塩に比べグルコサミン塩酸塩のほうが安いといえます。
今までに発表されているGSに関する研究で、使用されてきたGSの形態を見ると、面白いことにヨーロッパで行われた研究の多くがグルコサミン硫酸塩を使い、アメリカを含むそれ以外の諸国ではグルコサミン塩酸塩を使った研究が多いことに気が付きます。
この背景にはヨーロッパで行われたGSの研究には医薬品企業を含む多くの会社が研究に資金提供をしている経緯があり、価格の高いグルコサミン硫酸塩を使用したことがあります。

・グルコサミンとアレルギー
最近、硫黄の成分にアレルギー反応を示す日本人が少なくありません。このような人がグルコサミン硫酸塩を摂取した場合にはアレルギー症状が現れることがありますので注意が必要です。GSとともに関節炎などの改善に用いられるコンドロイチン硫酸塩についても同様で、このような人は硫酸が含まれる含硫成分は避ける必要があります。
グルコサミンは一般にエビ、牡蠣、カニの甲羅などから抽出されることが多く、コンドロイチンは牛、豚、サメの軟骨から抽出されます。最近では植物の樹皮から水溶性のグルコサミンも抽出され市場に出始めています。

・グルコサミンと医薬品の併用
日本では医師が関節炎の患者に対してGS、またはGSとコンドロイチンを処方することは稀ですが、アメリカやヨーロッパでは医薬品の抗炎症剤であるイブプロフェンやナプロキセンまたはアセトアミノフェンと一緒にGSまたはGSとコンドロイチンを処方する医師は少なくありません。この場合、患者の症状が2-3週間で改善しはじめると医薬品を少なくするか中止してGSまたはGSとコンドロイチンだけで経過を見ることが少なくありません。

・グルコサミンの副作用
現在までに研究報告されているGSの副作用はほとんどないと言えます。しかし、従来から行われている研究では大部分の栄養素や薬と同様に、長期間の使用における副作用の発現についての研究は十分ではないとも言えます。現状、1つの目安としては他の機能性成分やハーブ同様、妊婦、授乳期の女性では使用は控えるべきと言えます。

・グルコサミンと糖尿病
糖分の含まれるGSと糖尿病の関係についての研究は多くはありませんが、1日あたり1-2グラムのGS服用は、一般的な日本人の食生活から摂取する単純な構造の炭水化物(糖にすぐ変換する炭水化物)の摂取量と比べても最小の糖分量と言えます。
アメリカの内科学会誌で報告されている2型糖尿病患者に対するGSとコンドロイチンの服用に関する研究を見ると、1日あたりグルコサミン塩酸塩1500mgとコンドロイチン硫酸1200mgを90日間服用した38人(男女平均年齢50歳)では、空腹時血糖もHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値には有意な差はありません。
むしろ、2型糖尿病をもつ関節炎患者に処方されるイブプロフェンやナプロシンなどの抗炎症剤の副作用によって発生する胃潰瘍や腎臓機能障害のほうが、2型糖尿病の合併症に与える影響が大きいという報告があります。
by nutmed | 2014-04-23 09:03