第1355回 エラグ酸を考える プロローグ

今日から少しエラグ酸について扱っていきます。今日はエラグ酸にいきつくまでのプロローグです。
今週月曜日、ブログの読者の女性からこんな質問がいただきました「最近、ネットのSNSでイチゴに含まれる残留農薬(トルフェンピラド)が発がん性と細胞毒性が強いということが話題になっていましたが、1日いくつぐらいならイチゴを食べても大丈夫でしょうか?また子供には食べさせないほうがいいでしょうか?」 意外にこの手の質問は多いのですが、答えるのは非常に難しい内容でもあります。決して煙にまくわけではないですが、こういう場合私の回答は「確かに農薬を使用して栽培されたイチゴや野菜、果物には、農薬が残留しているでしょう。その化学物質が発がん性が高いことも、細胞毒性が高いことも事実だと思います。仮に農薬が残留しているイチゴを金輪際食べるのをやめたとして、一体どの程度、現代人の発がん率が低下するでしょうね。」確かに、怪しき食材を突き止めて、体内に入れないよう水際でくいとめることは大事なことです。こう言っては身も蓋もない話ですが、イチゴ1つに目くじらをたて神経質になり、水際で食い止めたところで、私たちの生活環境、食生活環境の中には、自然界はもとより、生物の体内には存在しない物質が溢れかえっていることも事実です。それらの中には発がん性は言うに及ばず、細胞毒性、炎症、細胞の酸化を促進する物質も、私たちが知らない方が幸せというカテゴリの未知の物質、211年311以降の放射性物質に至るまえ、様々な物質と同居している状況は否めません。
それでは、イチゴに残留する発がん性の高い農薬を甘んじてて受け入れるのか?
決してそうではありません。まずは、直面している食材、特に加工食品ではなく生の素材ですが、一歩引いて冷静になってその素材の素性を確認してみることが非常に重要だと思います。
自然界に育つ植物の多くは、栄養素のほかに、様々な機能性を備えています。皆さんの大好きなポリフェノールはその1つですよね。ポリフェノールの多くが、強力な抗酸化を持っていますが、この抗酸化特性こそが、細胞の癌化を抑制し、様々なホルモンの受容体の働きを向上させ、粘膜の炎症を抑え、細胞膜の酸化を抑えて、臓器組織を正しく働かせる機能を持っているわけです。
私は以前、私の栄養療法の師匠でもあるDr.ライトと、天然の植物に含まれる農薬や重金属が、人間や動物の体にどれだけの影響を与えるかについて、長時間のディスカッションをしたことがあります。Dr.ライトも、有害物質、化学物質は体内に入れない、溜めない排泄することを力説していましたが、これらの有害物質が含まれた天然の植物には、同時に人間や動物の細胞を正常に機能させるための栄養素が豊富に含まれていることも力説しています。
この時に私が思ったのは、人間の目線で、農薬に含まれる化学物質は、人間の細胞が癌化する可能性が高いのと同様に、その植物の細胞の働きにも多大な影響を及ぼすのだろうと。しかし、有害な化学物質の塊の農薬を散布されて育った植物は、元気に育ち、色も見栄えもよく、365日、旬を無視してマーケットの棚に並ぶことができるのも事実です。ラットや人間の細胞が癌化するほどの強烈な毒性を示す物質が、植物の成長や繁殖にさえ影響がない背景には、これらの植物が自ら作り出す、機能性物質のポリフェノールや酵素そのものではないかと考えたわけです。後日、Dr.ライトにこの話を投げかけて見ると、「お前の言うことは確かに正しいシナリオだと思う」と言ってくれました。
食材を選定する時に、この目線で食材を見てみることで、その植物に含まれる有害物質、化学物質を感受するのではなく、一方でその植物が備えている栄養素と同時に、高い機能性の恩恵を受け、同時に入ってくる可能性の高い、有害物質、化学物質の排泄を促進し、蓄積を避けることを促すことができるということにもなります。
by nutmed | 2014-05-30 15:00