第1364回 亜鉛不足の深刻な状況 その1

今日のテーマは、世界的にも問題になっておr、日本でも顕在化しつつある亜鉛不足の深刻な問題についてです。
細胞臓器の働き、300種類以上の酵素の働きなど、人間の営みには重要不可欠なミネラルである亜鉛ですが、カルシウムや鉄に比べると注目度は低いミネラルでしょうか。アメリカでは国民の15%ほどに亜鉛不足があると言われていますが、日本でも、欧米に比べて亜鉛が豊富な食材があるにも関わらず、国民の亜鉛不足は深刻化してきていると感じます。
亜鉛の働きの代表的なものを挙げると
300を超える酵素反応
免疫力を維持
創傷治癒
ホルモンレベルの調整
DNAの合成
代謝を維持
正常な血糖値を維持
正常な視力を維持
正常な結合組織およびコラーゲンレベルの維持

があります。
亜鉛が不足することで現れる症状には。
足の臭い(アメリカでは"Stinky Feet”と言いティーンエージャーとベジタリンを象徴する呼称です)
にきびや他の皮膚疾患
抜け毛
胃酸不足(低酸症)

が代症状例です。
亜鉛不足と足の臭いの関係は日本ではあまり紹介されていませんが、亜鉛がドライスキンにかかわるビタミンAの代謝には欠かせないミネラルである背景があります。私がアメリカで研修しているときに、車に同乗させた友人の男女の足の臭いがすると、ほかの友人が「彼は(彼女は)は亜鉛不足だな!」と言っていたくらいです。動物性たんぱく質を食べないベジタリアンでは、亜鉛不足の土壌から収穫された野菜(意外に多い)を日常的に食べていることで、足の臭いがきつくなることと、爪の表面に白い斑点と線が出やすくなります。
亜鉛は胃酸の生産にも深くかかわっています。胃酸の元は塩酸ですが、人は演歌ナトリウムを材料にして、塩酸を作りますが、その過程で酵素(炭酸脱水酵素)が働きます。この酵素の働きを促進させるのが亜鉛(イオン)で、亜鉛が不足している人には胃酸低下の症状が出やすくなります。
胃酸の生産能力が低下する中高年以降ではなく、充分胃酸が生産できる若い人たちでも胃酸が不足しているような兆候がある原因の1つは、亜鉛不足であるのではないかと考えられています。
by nutmed | 2014-09-17 13:17