第1371回 体にあったビタミンCを摂るという考え方

体内、特に体を循環している血液のpH(酸度・アルカリ度)はエネルギー代謝にも大きな影響を与えるものですが、人間の最適な血液のpHは7.46で若干 アルカリ性に傾いている状態であると言われています。「体が酸性に傾く、アルカリ性に傾く・・」という言葉を聞くこともあると思いますが、たとえば乳酸が体に溜まると、人間はそれを分解して最適な弱アルカリ性に戻そうとする働きを持っています。過剰な運動や肉体労働で、体内に乳酸が日常的に溜まりすぎて、それを自ら中和できなくなると、疲労という形で症状があらわれてくることになります。pHの変化は体が疲労を感じるほかにエネルギー生産の働きや免疫システムにも様々な影響を及ぼします。代謝タイプに合わない食材や食事の仕方も運動と同じように体のpHに影響を与えます。タンパク質でエネルギーを作り出すような 代謝タイプの人は体内が僅かに酸性傾向にあり、炭水化物でエネルギーを作り出すような代謝タイプの人は、逆に体内が僅かにアルカリ性傾向にあるといえます。
代謝タ イプを考えた場合、自分のエネルギー代謝のタイプにあったサプリメントを選択することが大切です。
た とえば、ビタミンCは世界中で最も消費されているビタミン(サプリメント)の1つですが、ビタミンCを飲もうと考える人の中に、自分の現在の 症状だけでなく代謝タイプを考えてビタミンCを購入する方は日本にはほとんどいないと思います。
ビタミンC(アスコルビン酸)は酸性のビタミンで、一般的なpHは2.0-2.5くらいで 非常に酸性の強いビタミンです。もっとも実験室の棚にある「アスコルビン酸」の粉末を飲むことがないかぎり、皆さんがサプリメントとして飲んでいるアスコ ルビン酸は、ミネラルやエステル基が結合してpHを5.0-6.5くらいに調整をしているものと考えてください。
極 度の酸性ではないとはいえ、酸性であることは間違いないビタミンCですから、タンパク質でエネルギーを作り出すような代謝タイプで、体内が酸性傾向にある人には、限りなく中性に近いビタミンCが、逆に炭水化物でエネルギーを作り出すような代謝タイプで体内がアルカリ性傾向にある人には、多少酸性の強いビタミンCが、体内環境と代謝を考えた場合には最適な選択といえると思います。
一般的なビタミンCに比べ、中性方向に傾いているビタミンCの代表格は、アルカリ性ミネラルのカルシウムと結合している「アスコルビン酸カルシウム」で、pHは6.8~7.4です。従来、日本では医薬品扱いの素材でしたが、2008年5月1日から日本でもサプリメント(食品)としてアスコルビン酸カルシウムが使用でき るようになりました。

ビタミンCのみならず、食材だけでなくサプリメントの選択をすることは、健康管理や症状改善の方法の幅を大きく広げることになると思います。
by nutmed | 2014-11-11 17:17