2014年 12月 25日
第1376回 栄養療法とサプリメント
さて、今日は私自身もこの15年実践していて、ここ数年日本でも増えてきた「栄養療法」に関わる話を1つ紹介します。
私が栄養カウンセリングを行っている神尾記念病院でも青山外苑前クリニックでも、健康管理、栄養摂取のカウンセリングを希望されてくるクライアントの70%ほどは、何らかのサプリメントを既に飲んでいる方で、その内の80%ほどは、栄養療法、分子栄養学、分子矯正栄養学などの知識とスキルを持った医師や歯科医、栄養士など、サプリメントぺシャリストが在籍する施設を受診し、血液、尿、毛髪等の検査結果をもとに飲むように指導されたサプリメントを飲んでいる方達です。
その多くのクライアントは、ご自分で、分厚いファイルを作り、その中に検査報告書、サプリメントのリストをファイルして持参してくれます。 飲んでいるサプリメントの種類や数は人によって異なりますが、ほぼすべての人、少なくとも何処かの施設でサプリメントを飲むように指導されて飲んでいる人に確認をしてみます。「あなたはなぜこのサプリメントを飲むように指導されたのですか?」と。 すると、全員が異口同音に「指導してくれた先生が、あなたはこの栄養素が不足しているから、不足している栄養素をサプリメントで補って下さい、と言われました」と答えてくれます。 一見、サプリメントを指導している栄養療法クリニックでは日常的に行われている光景ですが、私にとっては不思議この上ない光景の1つでもあります。
不足しているサプリメントを飲むように指導されたクライアントに私はこう質問します、「あなたは朝昼夕の食事は全く食べていないのですか?」 多くのクライアントが「いえ、ちゃんと3度食事をしっかり食べています」中には「食材には気も遣っていますがお金も使っていますよ」と答えてくれます。次に私は「サプリメントを飲むように指導された先生は、あなたが3度の食事を食べているのに、なぜあなたのその栄養素が不足しているのかを説明してくれましたか?と質問します。ほとんどのクライアントは、「いいえ」と答えてくれ、中には勘のいい人は「そうですよね、私は3度ともしっかり食事しているのに、おまけにオーガニック野菜しか食べていないのに、食材に含まれている栄養素がどうして不足するのかしら」と気付いてくれます。
私がアメリカで学んだ栄養療法、そして、今の私の栄養療法の根底を築いた、TAHOMA CLINICのDr.ライトから徹底的に教えられたのは、何故食材に有り余るほど含まれている栄養素が不足するのか背景をさぐることが、クライアントの持つ症状、特に慢性化した症状の原因探索には欠かせっず、その原因となる可能性が最も高い「食材の消化分解能力と吸収機能の確認」を徹底的に教えられました。
検査によって、症状の進行状態によって、どのような栄養素が不足している可能性があるかと言うことは説明された後に、いきなり不足している栄養素をサプリメントで補いましょうと言われても、不足している原因がどこにあるのかを理解納得できずに、サプリメントを飲み始めても、おいてきぼりにされたような状態で症状の改善を進める、それも食事の仕方、消化分解能力の有無には気を遣うことなくサプリメントを飲み始めても、実感できるような状態を迎えることは難しいと私は考えています。
ともすると、サプリメントありきの栄養療法、「栄養療法=サプリメント療法」のようにとらえられていることに、ある意味での危惧すら感じる最近です。


