第1389回 腸内環境とサプリメントの摂取

私の師匠のDr.Jonathan Wrightをはじめ、アメリカやカナダで栄養療法を実践する医師、臨床栄養士、カイロプラクターなどの多くが、安直にサプリメントを飲むことを勧めない理由の1つに、腸内環境の確認をせずに、やみくもにサプリメントで栄養素を飲ませても、その症状の改善にならないだけでなく、かえって逆行することが多い、特に生活習慣病や慢性症状の場合には多いことがあるためです。
腸内環境の状態確認の最たる対象は、「腸内細菌」であることは言うまでもありません。慢性症状の背景と腸内細菌のかかわりの多くは、人間と同じ生き物である細菌が生きるためには栄養素が必要になるといういたって単純なことでもあります。
たとえば、腸内に生息する細菌の多くがいきるために必要とされている栄養素は以下の栄養素になります。
p-アミノ安息香酸(PABA)
葉酸
ビオチン
リポ酸
ニコチン酸
パントテン酸
ピリドキシン(B 6)
リボフラビン(B 2)
チアミン(B 1)
ビタミンB 12
ビタミンK

マグネシウム
カルシウム

亜鉛

このほかにも、その他のミネラルやアミノ酸も細菌の営みには不可欠になります。
一見、善悪の腸内細菌という分け方だけでみられてしまう細菌も、人間にとっては扶養家族ともいえる存在でもあるわけです。
つまり、宿主である人間の症状改善を目的に、両手に余る種類と両手に余る金額のサプリメントを飲んでいても、想像以上に症状の改善につながらない人は世の中に少なくないと思います。この背景の1つに、細菌による上記のような栄養素の略奪の可能性が否定できないことから、多くの症状に対応した栄養療法のスタート時点で腸内細菌環境を確認することは避けてとおると。後々迷宮に足を踏み入れてしまうことにもなるわけです。
腸内細菌の環境を整えることは、決して免疫を向上させるだけの話ではないことを自覚する必要があると思います。
腸内環境を確認せずにサプリメントを漫然と飲むことは、場合によっては全く逆効果であることは否定できません。
医師やサプリメントの専門家と称する人たちに、サプリメントを勧められたときに、自分の腸内環境を確認せずにそのサプリメントを飲んでもいいものかどうかを確認してみるべきだと思います。
by nutmed | 2015-03-06 08:49