第1398回 肥満と解毒の関係

先週の6月7日で、臨床栄養士のひとり言も10年目に突入です。 10年という年月は長いようでアッという間でもありました。この1-2年はFaceBookとのダブルヘッダーのため、更新頻度がすくなくなっていますが、これからも大切なトピックを紹介していきますので、よろしくお願いします。

昨日は月に1度の文献リサーチデーで朝からずっと文献リサーチしておりました。そんな中、非常に興味があり、かなり以前から私が減量ダイエット後のリバウンドの原因の1つだろうと考えていた背景を、国際日漫画界の投稿論文で見つけました。2000年と2011年に同じような内容のことが発表されていました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11093288
私は、食事ダイエットや運動で減量を試みた、多くは肥満傾向のある人の多くが、「リバウンド」ということばで片づけられるように、再び食事の体重が増加する症状が現れる原因の1つには、体内の毒素排泄のメカニズム、いわゆる解毒機能がかかわっており、単純に肥満体形の人は我慢が利かないとか、精神力が弱いと言った抽象的な話ではないと考えています。
その解毒にかかわる背景には、現在地球上に存在する数千万を超えるする種類の有害毒素の多くが、ホルモンに似たホルモン様物質(その多くが女性ホルモンのエストロゲン様物質)であり、これらのホルモン様物質のほとんどが脂肪細胞と結合していることがあると思います。脂肪細胞に結合している限りは、容易に血液中に流出することがないと思われ、代謝の過程で排泄される日を待てばいいわけです。しかし、原料によって脂肪細胞が低下した減量成功者の多くは、体内に否応なしに侵入してくるホルモン様物質の毒素をストックしておく場所がすくないために、それらの毒素は欠瓜生宙を循環することになります。
この結果として、自律神経にかかわる症状、糖のコントロール不良、血圧のコントロール不良、甲状腺の機能変化、不妊、不眠症などの慢性症状をきたすことになると思われます。
最近、アメリカのオーガニック(スーパー)フードの愛好団体が、オーガニック食材を選択する理由の1つに「有害な毒素が含まれていないために肥満を予防できる」ことをあげるようになった背景には、中性脂肪の素になる糖質の制限や、コレステロールの素になる脂質の制限おするというような、どこかの国が飛びつく安直な背景があるわけではなさそうです。
肥満改善の目的でダイエットを試みる人の多くは、肥満になってしまった食事の背景をヒアリングすると、加工食品、有害なケミカル、合成食材の割合が多いという話を聞いたことがありますが、それもあながちない話ではなさそうです。いわゆるリバウンドをしてしまう人の多くもまた、これらの食材にもどることで体重の増加につながるのも十分考えられる話でしょう。
体脂肪率の高い肥満傾向の人が減量する場合には、いきなり食事の量を減らしたりだんじきをする前に、解毒の役割を担う腸の機能をこうじょうさせることと、ホルモン様毒素が含まれた食材の摂取には注意することです。 一方で、ダイエット、減量した人の中に、減量後に体調を崩したり、慢性症状が現れる様になる人が少なくないですが、この背景もこれに似たものだと思います。
by nutmed | 2015-06-10 08:22