第1407回 ポストバイオティック(Postbiotics)

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この数年で、特に2015年に入って以降、乳酸菌をキーワードとする話題、番組や商品が多くなったような気がするのは私だけではないと思います。さすがに青汁に乳酸菌を入れる発想には恐れ入りましたが。皆酸もご存じのように、乳酸菌は「Probiotics:
プロバイオティクス」とも呼ばれています。また、乳酸菌を増やすための餌になるオリゴ糖や繊維質のことを「Prebiotics:プレバイティクス」とよびます。「Biotics:バイオティクス」とは「生物の」という意味がありますが、私の解釈では「生物が何かをつくるプロセス」という意味が最適だと思っています。乳酸菌を中心に考えるのであれば、Biotics:バイオティクスとは乳酸菌が作るタンパク質(これをバクテリオシンと呼びます)を作るプロセス」または「タンパク質(これをバクテリオシンと呼びます)を作るプロセス」を持つ乳酸菌」のことをさします・
乳酸菌に期待する働きは、乳酸菌自身が人間にとって必要な栄養素を作り、乳酸菌自身が腸の膜上で異物の侵入を防御してくれること、そして乳酸菌が作るバクテリオシンによって、悪玉菌、ウィルスの増殖を阻止除菌することでしょう。
皆さんもご存じのペニシリンをはじめ、バクテリアが作ったタンパク質で構成される抗生物質はバクテリオシンでもあります。
昨今、世の中で話題になり注目されている乳酸菌ですが、その恩恵を受けるためには、確実に腸まで届けられなければなりません。仮に腸まで届いても繁殖できる環境条件が悪い場合には、期待するほどの恩恵をうけることは難しくなるでしょう。更に、αベットと数字を菌の名前に冠した乳酸菌が差別化になり重宝される傾向がありますが、言いかえれば、プレバイティクスもプロバイティクスも、腸の中で乳酸菌が増殖してくれる確約を持ったものではないと思います。
ここに「Postbiotics:ポストバイティクス:という考えかたがあります。つまり、本来腸内で乳酸菌が繁殖して作るはずのバクテリオシンを培養した乳酸菌から抽出してカプセルや錠剤で純粋なバクテリオシンとして庁に届けるというコンセプトです。
このポストバイティクスという考え方は新しい考え方で歯なく、かなり古くから存在し、この10年ほどの間に、アメリカ、カナダ、フランスなどで台東してきたものでもあります。
この日本にもかなり昔から、ポストバイティクスの食習慣が存在しています。代表的な者は糠漬けかもしれません。発酵して乳酸菌が繁殖する糠床には、にゅうさんきん以外の雑菌も繁殖するでしょうが、その雑菌の繁殖を阻止するために乳酸菌がバクテリオシンをつくるわけです。実際にこのバクテリソインは「ヌカシン」という名前で特許が取得されています。
これから収穫の秋を迎えますが、自分の腸内の環境を整えるためのポストバイティクスも考えてみてはいかがでしょうか。
by nutmed | 2015-09-02 11:01