第1426回 意外に多いモリブデン不足

今日はモリブデンについてです。栄養医学研究所では15年前から爪によるミネラル分析を受託していますが、2010年ころからモリブデンが低く検出される人が非常に増えています。年齢別の割合をみると男女ともに10-30台の成人でモリブデンが低くなる人が非常に多いこ状況です。
モリブデンは、免疫のはたらき、細胞の酸化防止にもかかわる窒素の代謝にかかわるミネラルです。モリブデンには痛風の原因となるプリン体を尿酸に変換する重要なはたらきもあり、体内では、骨・腎臓・肝臓に貯蔵されます。
食事から摂取したモリブデンは、腸で吸収され、尿、及び、胆液によって排泄されます。
食材からのモリブデンとしては全ての穀物、豆、葉菜類、及び、もつ類。ただし、モリブデンは熱と水分によって吸収が変化しますので、コンビニ食やレトルト食は避けるべきです。硫黄分が多く含まれる食材(タマネギ、ニンニクなど)や水は、モリブデンの吸収を阻害します。また、モリブデンが過剰に摂取されると銅の吸収が低下し血中尿酸値が高い方は痛風発作を起こすこともありますので注意してください。
体内のモリブデンが急に減少する理由はまだよく知られていませんが、その理由としては、尿酸の代謝に障害がおこり、食事や飲料水から銅、亜鉛、硫酸塩(添加物に多く含まれる)が過剰に体の中に入ることによって、モリブデンの吸収が阻害されることが報告されています。体内のモリブデンが少なくなると、インポテンス・虫歯・喘息などのほか、ガン細胞に対する免疫能力の低下が報告されています。
モリブデンは比較的意識しないと不足しやすいミネラルなので、モリブデンの豊富な食材を新鮮な状態で摂取する、または、サプリメントによってモリブデンを補給することが必要です。
もう少し詳しく見ていくと、女性の場合、生理不順、PMS症状があり、胃酸分泌が少ない低胃酸で、腹部膨満を伴う人にモリブデンが低い傾向があるように見られます。
この背景には、銅の働きが関わっていると考えられます。 女性ホルモンのエストロゲンを合成する時には銅が不可欠ですが、銅はたんぱく質{アミノ酸)と結合した銅タンパクとして作用しあす。タンパク質(アミノ酸)と結合していない銅は、ある意味では毒性の強いミネラルでもあります。銅と結合するためのたんぱく質(アミノ酸)は、食物を正しく消化分解してなっければなりませんが、胃酸が少ない場合には、充分にたんぱく質の分解ができません。そのため、エストロゲンを合成するために必要な銅タンパクの供給が低下するとともに、毒性のウ良い銅(タンパク質と結合していないフリー銅)が増えることで、モリブデンの吸収が低下することになります。
by nutmed | 2015-12-02 12:15