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第1434回 ラクトフェリン

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今日はラクトフェリンについてです。
「ラクト」は乳、「フェリン」は鉄を表す言葉なので、牛乳や母乳に含まれる鉄に関係する成分であることは想像していただけると思う。ここ数年、某大手乳業メーカーがダイエット目的でこの素材を拡大宣伝しているのでにわかに注目されてきた。ラクトフェリンは哺乳動物の乳だけでなく、涙・唾液・胆汁などの分泌物中に存在するたんぱく質である。実際、人間の初乳には5-10g/lが含まれている。この10年ほど前からドイツ、フランス、スペイン、そして米国でもラクトフェリンが見直されはじめている。ラクトフェリンは鉄を結合して運ぶ働きを持つたんぱく質の一つで、乳児の鉄の吸収を促進させるために大切なたんぱく質であることは知られている。ラクトフェリンが見直されはじめた背景には、母親の離乳時期が従来に比べて早くなったこともあるが、それだけではなく、昨今世界中を賑わすウィルス・細菌感染症に対する抗菌作用が注目されているからだ。ラクトフェリンには大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌をはじめとする大腸菌、カンジダ菌などの真菌、サルモネラ菌、C型肝炎ウィルス、ヘルペスウィルス、HIVなど多岐にわたる抗菌、抗ウィルス作用があることが報告されている。これらの細菌やウィルスは増殖するときに鉄が必要になるが、ラクトフェリンの鉄結合機能によって細菌の増殖を抑制する作用によるものである。悪玉菌の増殖を抑制する作用の背景もここにある。ラクトフェリンは乳中だけでなく涙にも含まれているが、5年ほど前から私のカウンセリングに訪れるドライアイで悩んでいる方にはラクトフェリンをお勧めしている。これはラクトフェリンに眼球を保護する作用があることと、細菌感染を防ぐ作用をもつためで、実際、米国の栄養療法クリニックでドライアイの患者に対するファーストチョイスとしてラクトフェリンを処方する医師は少なくない。また、最近の研究報告では、胃潰瘍の原因とされているヘリコバクターピロリ菌の除菌作用も認められている。ラクトフェリン自体の過剰摂取による弊害は報告されていないが、結果として鉄の過剰に繋がることがあるので、肝臓心臓機能がおもわしくない場合は使用に注意していただきたい。
by nutmed | 2016-04-12 11:55